イタリア旅行 - イタリアでの過ごし方
イタリア旅行で実践した過ごし方について書きます。しかしこれは一例でしかなく、もっと旅慣れた人の知る、より良い方法があると思います。
- 歩き方
- 空気
- トイレ
- 防犯対策
- 列車の乗り方
- バスの乗り方
- 地下鉄の乗り方
- ストライキについて
- ホテルでの過ごし方
- 博物館・美術館の入り方
- 教会の入り方
- おみやげが買える場所
- カフェ・バール・ジェラテリア
- 昼食・夕食
- 薬局
- 小銭の見分け方
- 時間の使い方
歩き方
イタリアの歩道の大部分は、日本のようにアスファルトで平らには舗装されていません。石畳がデコボコしていて、日本に比べて非常に歩きにくいです。古い街ほどそうで、ローマ・フィレンツェ・ヴェネツィア・ナポリはもちろんミラノでも中心部は石畳と舗装面が半々ぐらいでした。
参考:初イタリア旅行で路上観察!気になった5つのこと - ちょろげ日記
ローマ旧市街の石畳
カゼルタの石畳
サン・ピエトロ広場の石畳
使う筋肉が違うのか、同じ距離でも日本の2倍くらい足が疲れます。日本での感覚で徒歩の距離を考えていると、文字通り疲労に足元を掬われてしまうでしょう。ましてやそれでスケジュールを立てているとしたら、変更を余儀なくされるでしょう。
自分が行った場所では、ミラノ北部にあるコマシナ(Comasina)という場所は、日本のように舗装されていました。コマシナは地下鉄3番線の終着駅で、ミラノ中央駅からは15分ほどの場所です。
空気
また、イタリアの都市部の空気は東京よりも汚れています。車通りが多いので排気ガスが充満し、東京と違って歩きタバコが合法(逆に飲食店内での喫煙は禁止)なので、それらが濃密に合わさっています。さらにイタリアは空気が乾燥しているので、肺への負担が大きくなりそうです。農村部ではない観光地で、東京並みの空気(それも決して綺麗とは言い難いはず)で快適に過ごしたいと思っても、残念ながら非喫煙者には飲食店内やホテル内、博物館や美術館など、建物内以外に逃げ場はありません。
ヴェネチアでは観光地ながら車の乗り入れが無いので排気ガスも無く、人がいない場所ではタバコの匂いがせず、美味しい空気が吸えるのかもしれませんが、自分はヴェネチアを長く歩かなかったので見つけられませんでした。
車道の無い、ヴェネツィアの街並み
ナポリ近郊のカゼルタにあるカゼルタ宮殿には、ヴェルサイユ宮殿に触発された広大なバロック様式の公園と、英国式の植物園とがあり、ここの空気はとても美味しかったのでおすすめです。景色も美しく、小さな滝があったり、かつての温室が置かれていたり、興味をそそるものも多くあります。
カゼルタ宮殿の公園
トイレ
ヨーロッパはどこも同じようですが、イタリアもまた公衆トイレが日本ほど多くありません。
綺麗なトイレがある場所(必要な費用が少ない順)
- 友達の家
- 駅のサービストイレ(有料 1ユーロ)
- 綺麗なカフェやBAR、飲食店(飲食代 1.5ユーロぐらいから)
- 空港(無料だが、街から空港までの移動に費用がかかる)
- 人の少ない博物館や美術館、遺跡(入場料)
- ホテル(宿泊料 お願いすれば宿泊していなくても大丈夫かもしれない)
主要駅にはサービストイレ(Servizi toilette)が設置されています。自動ドア横の機械に1ユーロ硬貨を入れるとドアが開きます。
参考(Roma Termini のサービストイレ):Servizi igienici - Piano Interrato | Roma Termini
カフェ、バールなどの飲食店は街中のいたるところにあるので、そこでコーヒーを頼んでついでに借りるのがもっとも手っ取り早い方法です。その際には店内の清掃が行き届いているかどうかを見て、トイレの綺麗さを見極めましょう。何も注文していなくても無料貸してくれたり、有料(1ユーロ)で貸してくれたりすることもあるそうですが、自分は経験しませんでした。
博物館や美術館、遺跡などの観光地にはほとんどの場合公衆トイレが用意されています。しかし、チケット購入後でなければ入れない場所だったり、そもそも観光客向けに用意していなかったりということもあります。観光地にはカフェ・バールもまたあるものなので、そこで一服してついでに借りる、がやはり安全かもしれません。
ホテルのトイレは、トイレ付きの部屋に宿泊していれば当然使うことができます。1日の始まりに出かける前や、チェックアウトの前などには必ず、「トイレに行かなくても大丈夫か」を確認して、少しでも不安があるなら行っておきましょう。
そのほかトイレがある場所
- フレッチェ(長距離列車)の中
- 人気のある観光地
- 普通のカフェやバール(Bar)、飲食店
- 公衆トイレ
人が多く集まる場所のトイレは、それだけ利用者数も多くなり、汚れもまた多くなりがちです。とはいえトイレの数自体が多かったり、清掃がこまめに行き届いている場合もあるので、一概に汚いとは言えません。
事前に読んだガイドでは、「イタリアの公衆トイレの横には人がいて、お金入れに0.50〜2ユーロを入れると(トイレにより金額が異なる)ドアを開けてもらえる」という話を読んでいたのですが、そういったトイレにはついぞ出会いませんでした。主要都市にはもう存在しないだけで、地方にはまだあるのかもしれません。
トイレの使い方
当たり前ですが、すべて洋式です。しかしながら便座が無いことも多く、そういう場合に備えて抗菌のウェットティッシュを持参するのが良いでしょう。
流すには、便器のある壁面についた丸いボタン(1つだけ)を押すタイプや、円形の丸い2つのボタンのうち大きい方を押すタイプ、タンク上部のスイッチを押すタイプ、普通の水道のようにハンドルをひねるタイプなど、いくつかの方法がありました。一番多く見たのは、下の画像のような円形の2ボタンタイプで、これの大きい方を押せば水が流れ、自然に止まるものでした。しかし一度だけ、小さい方を押さない限り水が流れ続けるものもありました。
おそらく、他のタイプのものもあると思います。最初の頃は毎回謎解きパズルに挑んでいるようで楽しかったです。
円形の丸い2つのボタンのうち大きい方を押すタイプ
タンク上部のスイッチを押すタイプ
お手洗い用の水道も、手をかざすと水が出るタイプ、手動でひねるタイプ、上部を押すタイプ、足元のレバーを踏むタイプと、じつに様々でした。最悪の場合、壊れていて水が出ないこともあります。
トイレ関係のイタリア語
「トイレはどこですか?」
"Dov'è il bagno?" (ドヴェ イルバーニョ?)
慣れなければ聞き取れないイタリア語で返されますが、きっと指で方向を示してもらえるので、それで判断しましょう。「Lì(リ =そこ)」「Là(ラ =そこ)」「destra(デストゥラ =右)」「sinistra(シニストゥラ =左)」などが聞き取れればより安心です。
「すみません、トイレを使ってもいいですか?」
"Scusi, posso usare il bagno?" (スクズィ、ポッソウザーレ イルバーニョ?)
「Si(スィ =はい)」「Certo(チェルト =もちろん)」「Come no(コーメノ =もちろん)」などと返って来たら、遠慮なく借りましょう。「No(ノ =いいえ)」と言われたら、おとなしく諦めましょう。どちらの場合も「Grazie (グラツィエ =ありがとう)」を忘れずに。
防犯対策
旅行前、イタリアは治安が非常に悪く、とくに観光地の広場や地下鉄は地獄のような場所だと思っていました。しかし実際に行ってみるとそんなことはなく、ある程度必要な警戒だけしておけば危険を感じることは多くはありませんでした(それでもまったく危険が無かったわけではありません)。おそらく近年増加傾向にあるテロへの対策で、街中に憲兵(Carabinieri)や警察(Questura、Polizia)、警備警察(Polizia locale)、軍人がいるためかと思われます。とくに軍に関して、主要な観光地や駅周辺には必ず彼らが2名以上でアサルトライフル(おそらくベレッタ)を手に立っています。
基本的な行動
まず第一に「観光客はカモ」です。あなたが街行く誰かからお金を奪い取らなければどうしようもなくなったとき、誰を狙うでしょうか。確実に金品を持ち運んでいるのは、地元民ではなく観光客です。
では、観光客とはどういう見た目をしている人たちでしょうか。大きなスーツケースを運んでいれば一目瞭然です。そうでなくとも、例えばツアーに参加している人が自由時間になって周囲をうろつき始めれば、それもまた明らかに狙うべき観光客ですし、高そうな金品を身に着けていれば狙ってくれと言っているようなものです。そうでなくとも顔立ちがイタリア人っぽくなければ、ましてやアジア人の顔であれば、それが観光客である可能性は高くなります。日本人はそれだけでカモになりえるのです。
自分の場合は上記を念頭に置いて、まず極力観光客のように見えないような、観光客であっても貧乏旅行のように見える地味な服装を心がけ、カバンはすべて肩からかけ、そのチャックもなるべく見えないように隠していました。万が一カバンが盗まれた場合に備えてパスポートは首から下げ、強盗に襲われた場合に備えて普段使う財布とは別にお金を隠し持ち、スーツケースの中にもお金を分けておきました。ただ、スマホが盗まれた場合の対策をしてなかったので、次の旅行では何か用意したほうがいいなと感じました。盗まれなくても、落としてしまうこともありえますからね…。
また、街には地元の人も近づかないような危険な地区があります。じつは何もない安全な場所である可能性もありますが、安全だとわからないのであれば、薄暗い路地裏や、明らかに観光客のいない場所には近寄らないほうが得策です。
明らかに挙動がおかしな人に近づくのもやめましょう。一度、ローマのポルタ・ポルテーゼの蚤の市(Mercato di porta portese)に行ったとき、通りで二人の男性がぶつかりそうになったのですが、そのとき片方の若い男性が地面を見つめたまま動かなくなり、もう片方の男性が「なんだこいつ」と半笑いで立ち去りました。男性はそのままずっと動かず、じっと地面を見つめていました。もしかしたら何かのパフォーマンスなのかもしれませんが、自分にはそれが事件の前触れのように思えて、奥さんと二人で早足にその場を立ち去ったのでした。その間も何度か振り返って男性を確認したのですが、やはりずっと立ち止まったままでした。
蚤の市のある通り。右上が Roma Termini 駅 で、左上がバチカン市国。中央右寄りがコロッセオ。
詐欺
じつに様々な手口で詐欺が行われています。「その賢さで真面目に働けばいいのに…」と思うほどです。常に「自分よりも賢い人間が自分の財布を狙っている」と考えておきましょう。調べればたくさん出てきますが、自分が知っているものを紹介します。
募金詐欺:きちんとした身なりに見える若い女性や男性が、「Where are you from? ニイハオ!コンニチハ!ノー麻薬!署名!オネガイシマス!」と話しかけてきます。「まあ署名だけなら…」と思っていると、「みなさんに募金もしてもらってます。よかったらあなたもお願いします(英語)」と言ってきます。「ココロ!ココロ!」と言ってくるので、「じゃあ5ユーロぐらいでよければ…」と財布を出すと、「40ユーロあれば、1日活動ができます。あなたたちは2人なので1人20ユーロください(英語)」と言われます。渋っていると「ココロ!ココロ!」と懇願されます。自分はこれにひっかかりました。頑として5ユーロしか出せないことを伝えると、「仕方ねーな」という感じで領収書を書き、渡してくれます。もしかしたら詐欺ではなく本当に募金活動なのかもしれませんが、イタリア人の友達曰く「麻薬撲滅の活動をしてる団体ではあるけど、過去に問題のあった団体だし、お金を渡さなくて正解」とのことでした。フィレンツェのドゥオーモや、ミケランジェロ広場周辺のみで見かけました。
ギャンブル詐欺:街角で男たちがギャンブルをやっています。一人が、「あんたもやってくれよ!さっきからオレ負け続けちゃって…でもあんたなら大丈夫!二人ならできる必勝法もあるんだ!」というようなことを英語で伝えてきます。「必勝法があるなら…」と思って参加したが最後、あなたは絶対に勝てません。その場にいる男たちが全員グルだからです。自分はひっかかりませんでしたが、ナポリやローマで何度か見かけました。
壊れ物詐欺:いかにも壊れやすそうなもの(ガラス製品など)を持った人間がぶつかってきました。「おいあんたどうしてくれるんだ!これは高価な品物なんだぞ!!弁償しろ!!」と、英語や身振り手振りで言ってきます。ご丁寧にレシートまで持っているではありませんか。申し訳なくなったあなたは、お金を払ってしまいました…。という流れの詐欺です。本当は壊れたものには何の価値もありません。この手口、話は聞いていましたが全然見かけませんでした。
ツアー詐欺:主にバチカン博物館で長蛇の列に並んでいるときに遭遇しました。バチカン博物館は事前に予約をしなかった場合、長い列に並ぶ必要があるのですが、「私達のツアーに参加すれば列に並ぶ必要はないですよ」と、何度も別の人が代わる代わる話しかけてきます(おそらくツアーを主催する会社が違う)。本当に列をスキップできることもあるそうですが、中にはお金だけを受け取って去る詐欺師もいるそうです。やろうと思えば、金を受け取って客を列から離したあと、予約者の入り口前で「話してくるから待ってろ」と言い、そのまま消えるという方法が取れそうではあります(※あくまで自分の想像です)。もしそうなら再度列の最後尾に並び直さなければいけませんし、お金は失いますし、踏んだり蹴ったりですね。
切符購入お手伝い詐欺:自動券売機で券を購入していると現れます。「心配ないよ!友達だよ!(英語)」「フレンズ!フレンズ!」としきりに言い、切符の購入を手伝ってくれる風を醸し出しています。「まあ手伝ってくれるだけなら…」と手伝わせると、購入後にお釣りをひったくって走り去るか、「手伝った分の代金をくれ」と言ってきます。ミラノでは、手伝いすらせずに、お釣りが出た瞬間を狙って横から小銭をかっぱらっていくこともあるそうです。無視が一番ですし、切符の購入時にはなるべく釣り銭が出ないようにしましょう。
ミサンガ詐欺:もはや知れ渡った有名な手口ですが、まだまだいます。歩いていると男が近づいてきて、「これあげるよ!」とミサンガを手首に巻いてきます。「まあくれるなら…」と思っていると、「手に巻く手数料ね!◯ユーロ!」などとお金を要求してきます。この人達はかなり積極的で、ミラノのドゥオーモ広場では、こちらが無視していても奥さんが手首を掴まれました。とっさに振り払って事なきを得ましたが、怪しい人物が謎の紐を手に近づいてきたらすぐに逃げましょう。
スリ・置き引き
イタリアでは自分の荷物から絶対に目を離してはいけません。検索すると「たった2,30秒ぐらい目を離しただけで…」という体験談を見かけます。たまにスーツケースの上にバッグを載せて運んでいる人を見かけますが、自分には「犯罪者さん、どうぞ取ってください」と言っているように見えました。
ケチャップスリ:「おいあんた!背中にケチャップがついてるぞ!」と話しかけられます。背中を触って確かめてみると、なんと本当にケチャップがついているではありませんか。「オレが荷物持っててやるから、上着を拭きなよ!」と言ってくる親切な男に荷物を預けたが最後、次の瞬間その男は荷物と一緒に消えています。もし荷物を預けなかったとしても確実に腹が立つ手口なので、旅行前からこれにだけは遭遇したくないと思っていました。実際に出会わなかったので本当に良かったです。もし話しかけられても無視しましょう。ちなみにイタリア人の友達にこの手口について聞いたところ、「えー!?なにそれー?そんなのあるのー?すごーい!」とのことでした。日本語のサイトではめちゃくちゃ注意喚起されているのに…。
地下鉄でのスリ:満員電車でのスリは日本にもあることですが、こちらはより高い頻度で起こるようです。乗り降りのタイミングや、乗車中にも自分の荷物から意識をそらさないほうが良いでしょう。常にチャックなどに手を添えておくと良いです。奥さんは一度乗車のタイミングでチャックが半分まで開いていたことがありました(中身は無事でした)。また、ポケットの中身はすべてカバンに入れて空にしておきましょう。ミラノの地下鉄では降車時の改札でも切符を通す必要があるので、切符をポケットに入れておくのは危険です。複数人の若い女性が、公然とカバンを奪おうとすることや、カバンの開口部やポケットに手を突っ込んでくることもあるそうです。地下鉄内でも怪しい人物には近寄らないようにし、もし向こうが近づいてきたら一度降りて車両を変えましょう。
列車内での置き引き:フレッチェのような長距離列車でも、荷物はきちんと手に持っておきましょう。イタリアの駅にはほとんど改札がないので、発車前は誰でも車内に入ってこれます(改札があったのはたしか、ローマの Roma Termini 駅とヴェネツィアの Santa Lucia 駅ぐらいでした)。ですから、スーツケースは座席付近または座席上の荷物棚に置くか、列車入り口付近にある荷物置き場に(座席から距離がある場合はケーブル鍵をかけて)置き、手荷物も口を開けたまま無防備に持っておくことはしないようにしましょう。自分の場合は置き引きではありませんが、ヴェネツィアからローマに向かう Frecciargento (長距離列車)に乗っている際、通路を挟んだすぐそばの座席に座っている男が、検札の車掌さんに切符を買っていないことを責められ、お金もパスポートの原本も持っていないことが判明したことがありました。おそらく不法入国者です。彼はしばらくするとこちらをチラチラ見てしきりにソワソワするなど不審な行動を取るようになり、終着駅のローマが近づくにつれてこちらの近くに座りなおすなど、いかにも怪しげでした。奥さんに「万が一荷物を引っ張られても大丈夫なようにしっかり持っておいて」と告げ、常に男が視界に入るようにしながら戦々恐々としていたのですが、ローマに着く頃、結局男は別の車両へ移っていきました。その後 Roma Termini 駅には警察官が多く集まっていましたが、彼がどうなったのかはわかりません。
新聞やダンボールを持った大人や子供の集団によるスリ:ガイドブックやWebサイトにはよく書かれていましたが、遭遇しませんでした。まず新聞やダンボールを持った人たちが近づいてきて自分を取り囲み、「なんだなんだ」と思っている間に他の人間がポケットやバッグに手をつっこみ、金品を奪い取っていきます。もし見かけたら即座に逃げましょう。
物売り
観光スポットには、必ず物売りがいます。セルカ棒やスマホの充電器、水、写真、開くと展開する木製のカゴ、叩きつけると潰れて「プウ〜」と音を立てるスライムなどが売られています。普通に購入している人もいるので、これらはただの物売りであって犯罪には関係がないと思いますが、自分は利用しませんでした。コロッセオ周辺には、ローマ兵のコスプレをしたおじさんが立っています。言われるがままに一緒に写真を撮ると、お金を請求されます。
物乞い
こちらも犯罪には関係ないと思います。街のいたるところにいて、犬と一緒だったり、地面にひたすら頭をつけていたりと様々です。もし感ずるところがあれば小銭をあげるのも良いかもしれませんが、中にはアルバイト感覚でやっていて、元締めに場所代を納めている物乞いもいるので注意しましょう。
釣り銭のごまかし
「イタリアあるある」のようにどこでも語られる釣り銭のごまかしですが、自分は遭遇しませんでした(気付いていないだけかもしれません)。紙幣を間違えることはまずないと思うので、ユーロの小銭にある側面の溝や文字、大きさを記憶しておき、すぐに何ユーロ(または何セント)なのかを判別できるようにするか、もらった場所ですぐに釣り銭を確認しましょう。親切な人は、釣り銭を渡す際に「まず2.40ユーロ(2ユーロ硬貨1枚と20セント硬貨2枚)、20ユーロと5ユーロ(紙幣)」と順番に確認しながら出してくれます。その際、先に出てきた硬貨だけを取ってしまうと、次の紙幣が出てこないことがあるそうです。硬貨だけを先に取ることはしなかったからか、自分は遭遇しませんでした。
もしものときのイタリア語
「助けて!」
"Aiuto!" (アィユート!)
「おまわりさん!」
"Polizia!" (ポリツィーア!)
「私に触るな!」
"Non toccarmi!" (ノントッカルミ!)
「泥棒!」
"Al ladro!" (アルラードロ!)
これらがとっさに出てくるようにしておけばいいのではないかと思います。また、「Help!」でも通じると思います。
列車の乗り方
自分がもっぱら利用していた、Trenitalia の列車の乗り方を紹介します。
切符の購入
切符は自動券売機か駅の売店(Tabacchi)で購入できます。
売店の場合、「どこどこまでの切符を何枚くれ」と言うと、「何ユーロだよ」と言われるので、お金を払うと、レシートのような切符を渡してくれます。
自動券売機の場合、イタリア語以外に英語での表示モードもあるので、必要に応じて切り替えましょう。出発駅は購入した駅が選ばれているので(変更もできる)、まず行き先を選びます。次に一覧で表示されている中から乗りたい電車を選び、人数を選びます。現金かカードかを選び、現金を選んだならお金を投入します。カードを選んだなら、カード挿入部分にカードを差し込みます(周囲に注意して、常にカードを手で押さえましょう)。「番号を入力しろ」という表示に変わるので、周囲に注意しながら番号を入力します。少ししたら「カードを取り出せ」という表示に変わるので、カードを取ったら、切符が印刷されます。
参考:イタリア鉄道/自動券売機での切符購入1. - イタリアより
参考(このタイプの券売機には出会いませんでした):イタリア鉄道fs -TRENITALIA- 自動券売機の使い方
切符への打刻
イタリアの切符は、利用する日時が予め印刷されているか、そうでなければ打刻されている必要があります。もしそれが無い場合、車内での検札時に罰金を取られてしまいます。もしそれがたとえ仕組みを知らなかった観光客相手でも容赦しないようです。ちなみにWebで予約して自宅で印刷するタイプのフレッチェの切符には、日時が印刷されているので打刻は不要です。
打刻機の写真は撮り忘れてしまいました。。緑色で楕円形のもので、駅のいたるところに設置されています。一度ではきちんと打刻されないこともあったので、数回試しておきましたが、検札では何も言われませんでした。
参考(打刻機の写真が掲載されています):Trenitalia, nuovi prezzi e rimborsi per gli abbonamenti AV | Orvietonews.it
自動券売機で購入した切符。「Data」「Ora」の箇所に日時(10月23日の場合は 23.10 など)が入っているものは、打刻の必要がありません(おそらく)。フレッチェの切符は全席指定席なので、日時が入っています。この切符はレオナルド・エクスプレスのもので、この場合は乗車前の打刻が必要です。左端にうっすらと日時・打刻した駅名が印字されていますね。黒塗りの部分にはQRコードが印刷されています。
売店(Tabacchi)で購入した切符。レシート状になっていて、購入日が使用日として印刷されているので打刻の必要はありません。黒塗りの部分はQRコードです。
ナポリで購入した(してもらった)切符。カンパーニャ州に限り160分以内であれば、列車でもバスでも使えるそうです。これも使用前に打刻が必要です。
検札
けっこう頻繁に車掌さんが回ってきます。切符を見せましょう。問題なければ何も言われません。
遅延
ローカルの各駅停車(Regionali)は頻繁に遅延します。自分の場合、カゼルタからナポリ中央駅(Napoli Centrale)へ各駅で行き(多分それしかないので)、ナポリ中央駅からフィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(S.M.Novella)まで Frecciarossa で行く予定だったのですが、15分ほど遅延し、乗り過ごしてしまいました。新たに購入した切符はWeb予約の切符の4倍程度の金額で、高い勉強料を支払う羽目になりました。ローカル線から長距離列車への乗り継ぎは、時間的余裕を設けたほうが安全です。
座席の間違い
フレッチェ(Frecciarossa, Frecciargento, Frecciabianca)は全席指定席のはずですが、自分の座るはずの座席に人が座っていることがよくありました(5回中2回)。なぜ座っているのか詳しくは知りませんが、おそらく切符なしで乗ったあと、検札で引っかかって罰金と切符代金を支払い、そのまま乗り続けている人なのではないかと思います。
そんなときは「ここは自分の席です」と、切符を見せたりしながら伝えましょう(相手はコワモテのおじさんだったり腕に入れ墨の入ったお兄さんだったりしますが)。もしくは車内を回っている掃除のおじさんに「ここ僕の席なんですけどー…」と切符を見せながら伝えましょう(自分は2回目はそうしました)。
もしものときのイタリア語
「どこどこ行きの切符を2枚ください」
"Due biglietti per ◯◯, per favore." (ドゥエビリエッティ ペル ◯◯ ペルファヴォーレ)
旅行前に1〜10の数字ぐらいは覚えておいたほうが良いです。Due は「2」で、Uno(ウーノ)は「1」です。1枚の場合、切符も単数形の biglietto(ビリエット)になり、数詞は不要になります。つまり、"Un biglietto per ◯◯, per favore." (ウンビリエット ペル ◯◯ ペルファヴォーレ)です。
「ここは私の席だと思います」
"Credo che questo è il mio posto." (クレドケ クェストエ イルミオポースト)
「ミオポースト」が「自分の席」です。相手によりけりですが聞こえるように強めに言いましょう。
バスの乗り方
バスにはあまり乗りませんでしたが、乗る際の注意点を書きます。また、自分の意見よりも以下のサイトがとても参考になるので、ぜひご覧ください。
参考:ローマのバスの料金、乗り方 、路線図、注意点 - HowTravel
参考:フィレンツェのバスの料金、乗り方 、路線図、注意点 - HowTravel
参考:ナポリのバスの料金、乗り方 、路線図、注意点 - HowTravel
参考:ミラノのバスの料金、乗り方 、路線図、注意点 - HowTravel
目的地の駅名の把握
乗る前に、目的地には何番のバスが停車するのかを調べておきましょう。必ずしも目的地の名前が停車駅名になっているとは限りません。運転手とコミュニケーションが取りたいなら、「◯◯のある場所まで来たら教えてくれ」と伝えることもできるそうですが、自分は忘れられたら嫌だし正確に伝えられる自信が無かったのでやりませんでした。
切符の購入
街ごとに乗り方が異なります。また、ローマのローマパスのように、一定時間で乗り放題になるものもあるようです(使わなかったので詳細はわかりません)。
切符を購入する場合、列車と同じように売店(Tabacchi)で「バスの切符を何枚ください」と言うと、値段を教えてくれるので買えます。
バスの運転手に言ってその場で切符を買う場合もあります(バスの乗車口が前にある場合は運転手が言ってくれます)。その場合は乗る際に、「何人です」と言うと値段を教えてくれるので、お金を払って乗ります。
フィレンツェでは切符を事前購入するタイプだったのですが、カゼルタでの感覚(先に運転手に払う)で乗ってしまったので、運転中の運転手に何度も謝りながら切符を購入しました。「お前は二度と乗るんじゃねえぞ」と言いたげなおじさんの目つきが忘れられません。この場合、事前に買う切符よりも80セントほど高く(2ユーロ)なります。
切符への打刻
フィレンツェの場合、列車同様にバスの切符も打刻が必要です。打刻機が車内にあるので、乗車したら打刻しましょう。検札に来るのかどうかは謎です。
現在地の把握
他の乗客に「Dove siamo? =ここはどこですか?」と尋ねてもいいんですが、自分はうまく受け答えできる自信が無かったのでスマホの Google Maps アプリを使いました。事前にホテルの Wi-Fi などで周辺の地図を表示させておけば、インターネット通信ができない場所でも、GPS の座標を表示し続けることはできます。「なんか近づいてきたな」と思ったら、停車ボタンを押して、停車したところで降りましょう。
地下鉄の乗り方
ミラノ、ローマでは地下鉄にも乗りました。乗り方を以下に説明します。
地下鉄の路線
ミラノの地下鉄は、1番線、2番線、3番線、5番線の4本があります(4番線は建設中で、2022年に開通予定)。
ローマの地下鉄は、A線とB線、一部開通している建設中のC線があります。
ミラノの場合、主要な駅や観光地(Milano Centrale 駅、ドゥオーモ広場、スフォルツェスコ城など)には地下鉄駅が整備されているので、どこへ行くにも地下鉄が便利になります。
一方ローマの場合は、ローマ中心部の北西にある Roma Termini 駅を起点としてA線とB線とが通っており、A線はバチカン市国やスペイン広場、B線はコロッセオやカラカラ浴場跡があるものの、西側のトラステヴェレ方面や、中央部のパンテオン・ヴェネツィア広場、トレビの泉周辺には地下鉄駅が無く、やや不便さを感じました。ローマの地下には遺跡がたくさん眠っているので、不用意に掘ることができないそうです。ローマでバスが多く走っているのはこのためかもしれません。
切符の購入
ミラノの場合、切符は48時間乗り放題券(Biglietto bigliornaliero)、24時間乗り放題券(Biglietto giornaliero)、1回券(ordinario urbano)、10回券(Carnet 10 corse)などがあります。自分は主に24時間券を使い、最終日にホテルから駅まで向かうのに1回券を使用しました。
切符は自動券売機で購入できます。Trenitalia の券売機と同様、英語のメニューも用意されているので必要に応じて切り替えましょう。
参考:ミラノ地下鉄切符の買い方(自動券売機) | itarepo.com イタレポドットコム
上記の参考サイトよりも旧型っぽく見える自動券売機にしか出会いませんでした。とはいえメニュー自体は同じでした。まず切符の種類を選んで、枚数を選んで、お金を払って、取り出し口から切符を取ります。
列車の自動券売機同様、小銭やクレジットカードのひったくりに注意しましょう。
ミラノ、24時間券
ローマの場合、切符の種類は100分間有効な1回券の1種類しかなかったように思います。地下鉄・列車・バス共通の券で、バスなら時間内で何度も乗ることができるそうです。
購入の仕方はミラノよりも簡単で、枚数を選んで、お金を入れて、切符を取るだけ。「お金を入れてください」といった表示の変更がガイダンスは一切ないので最初は本当に手順が進んでいるのか戸惑いましたが、お金を入れるとちゃんと切符が出てきたので安心しました。
ローマ、1回100分券
改札
ミラノもローマも、乗車時に切符を改札でチェックされます。ミラノの場合は切符を挿入口へ通すと、出て来るのでそれを取り、開いたゲートを通ります。ローマの場合は券のバーコードをリーダーにかざすと、ゲートが開くので通ります。
ミラノに限り、降車時にも改札があります。乗車時と同じように、切符を通してゲートを通りましょう。ローマにも同じようなゲートがありますが、切符を通したりする場所はありません。そのまま押して通りましょう。
ストライキについて
ミラノでストライキに遭遇しました。ゼネラル・ストライキと呼ばれる大規模なもので、地下鉄・バス・鉄道が使えなくなりました。足は自家用車かタクシーのみになります。ミラノの友達は「本当に大昔からミラノではストライキがある。彼らは会社に対する要求があるかもしれないが、私たち無関係な人は、ストライキの被害者になるだけだ」と話していました。
ストライキは事前にスケジュールが発表されるので、旅行前に確認しておきましょう。とはいえ日本語のストライキ情報は間違っていることもあるので(実際自分が確認したHISのサイトは、日本時間と欧州時間とを間違えて、午後13時で終わるところを21時までとしていました)、できれば公式の情報に当たりましょう。
参考(ミラノ公共交通機関運営会社 ATM 公式):https://www.atm.it/en/Pages/default.aspx
でも、ここにも「the strike will take place from 8.45 am to 3 pm and from 6 pm to the end of service」と書いてあるなあ…。実際には14時頃には地下鉄が使えました。謎。
ホテルでの過ごし方
ホテルでは「ここは家ではない」ということに気をつけていました。貴重品は常に持ち歩き、シークレットボックスも信用しませんでした。外出時には必ず、無くなっても困らないもの以外はすべてスーツケースの中にしまい、鍵をかけました。
ホテルの人たちに親切にされて、「他人を信用しないなんて寂しい。心から安心して過ごすことで、親切に応えたい」と思うかもしれませんが、それで荷物が無くなっては後悔してもしきれませんし、親切なホテルの人以外の誰かが犯行に及ぶことで、ホテルの人たちに、自分の不注意がもとで迷惑をかけてしまうことも十分にありえます。
お互いに気持ちよく過ごすためにも、くれぐれも防犯の意識を持ちましょう。
チェックイン
Booking.com の予約画面を印刷して持っていたので、「Ho una prenotazione.(オウナ プレノタツィオーネ)=予約してます」と最初に言いながらそれを渡せば予約コードを確認してもらえ、そのまま「じゃあパスポート見せて」「ここに署名して」と進めてとてもスムーズでした。
ただ最初にイタリア語で話しかけると、「この人はイタリア語会話ができる人間だ」と認識され、そのままホテルの説明(朝食の時間や場所、Wi-Fi、ホテルの玄関の閉まる時間など)もそのままイタリア語でスタートします。聞き取る自信がなければ英語でいきましょう(その場合も英語で話されるので聞き取る必要がありますが)。
チェックアウト
最終日の朝に鍵を持ってカウンターに行けば、何も言わなくてもなんとなく「チェックアウトしたいのかな」と察してもらえます。無言が嫌なら英語で「Check out, please.」と言ってもいいですし、「Il check-out, per favore.(イルチェックアウト ペルファヴォーレ)」でもおそらく通じます。
予約時にカードに請求がかかっていない場合、ここで宿泊料を請求されます。また、宿泊税がかかる場合もここで請求されます。そのほか、部屋に備え付けのミニ・バー(水とかコーラとかが入っている)を飲んだ場合、請求される場合があります。自分の場合は一度だけ、ミラノのホテル・ダ・ヴィンチが有料ミニ・バーの部屋でした(部屋内の説明書きにも記載がありました)。他のホテルでは一切請求されていません。
また、チェックアウト時に「荷物を預る必要はありますか?」と聞かれることがあります。必要があれば頼みましょう。
博物館・美術館の入り方
チケットを購入して入場する流れは日本と変わりません。
注意したいのは、「予約しなければ入れない場所(完全予約制)」があること。例えばローマにあるボルゲーゼ美術館が完全予約制だそうです。行く前にかならず確認しておきましょう。
また、「予約しておけば順番待ちを回避できる場所」もたくさんあります。フィレンツェのアカデミア美術館(ダビデ像がある美術館)や、バチカン市国のバチカン博物館(ミケランジェロ『最後の審判』などがある博物館)、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会にある最後の晩餐などは、混雑を回避するためにも予約しておいたほうが良い場所です。自分の場合はバチカン博物館の入場列に2時間並びましたが、入場後は体力を消耗しすぎて展示物を見る気力が残っていませんでした。日程が事前にわかっているなら予約したほうがいいです。
また、バチカン博物館内のシスティーナ礼拝堂など、神聖な場所もあります。そういった場所に入る際には服装の審査があります。肩が出ていたり、脚が出ていたりすると、入れないこともあるようです。大きな荷物を持っての入場も断られるそうです。
教会の入り方
半ば観光地化されている大きな教会(フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂や、ミラノのドゥオーモ)は、チケットを購入することで中に入れます。チケット売り場(Biglietteria)の表示があるので、そこで買いましょう。とくにミラノのドゥオーモはチケット購入の順番待ちがあるので、はやめに買うことをおすすめします。また、フィレンツェのドゥオーモにあるクーポラは完全予約制です。予めWebサイトで予約して、自宅やホテルのカウンターなどでチケットを印刷して持参しましょう。
参考:最新情報!フィレンツェ大聖堂のクーポラに登る方法 | La casa mia
一般に公開されていない教会へ入るには、そこにいるシスターや神父、司祭の方に尋ねたほうが良いでしょう。しかしその教派のキリスト教信者でない限り、あまりお邪魔するのもどうかと自分は思いました。
教会は神聖な祈りの場所なので、派手な服装は避け、静かに鑑賞しましょう。
おみやげが買える場所
観光地であれば基本的にどこでも買えますが、食品系は Eataly がとても便利だったのでご紹介しておきます。
地下鉄 Repubblica 駅付近にもあるのでアクセスも良く、0時まで開いていることもあってか、日本人観光客が多数買い物していました。
カフェ・バール・ジェラテリア
日本とあまり変わりません。ただし、店によっては席に座る場合と持ち帰る場合の代金が異なる(サービス料の有無)ので、とくにジェラテリアで買ったものを店内で食べたい場合は、「座っていい?」と聞くようにしていました(「もちろん」と言われることしかなかったので、そもそも聞かないでいいのかもしれませんが)。
コーヒー(イタリアでのコーヒーはエスプレッソのこと)はだいたい1ユーロ〜2.5ユーロぐらいでした。アメリカーノ(いわゆる日本のコーヒー?)やカプチーノは1.5〜3ユーロ、カフェラテ(牛乳入り。エスプレッソに別途温めた牛乳がついてくることもある)も同じぐらい。ジュースやビールは2〜5ユーロぐらいです。
支払いは購入時にする場合と、席でする場合と、レジまでレシートを持っていく場合とがありました。他の客のする様子を見ていてもいいですし、イタリアは基本的に席会計らしいので、席に店員さんを呼んで「Il conto, per favore (イルコーント ペルファヴォーレ)=お会計お願いします」と言ってもいいと思います。
ほとんど一日中開いています。自分の場合、疲れたら休んで一服してついでにトイレに行って、また歩いて〜の繰り返しでした。イタリア中どこにでもあるし、コーヒー一杯の価格が安いのでとても便利です。
バールは「BAR」と書かれていることが多いですが、アルコールだけを出す店というわけではなく、日本のカフェと同じ感覚で入れます。
昼食・夕食
こちらもあまり日本と変わりません。支払い方法などもカフェ・バール・ジェラテリアと同じで店によりけりです(基本は席会計だと思います)。
正しいお作法としては「前菜」「1の皿」「2の皿」「デザート」の順で注文するものらしく、メニューにもそのように記載があることがあります。前菜は生ハムやアラカルトで、1の皿はパスタやラザニア、2の皿は肉や魚のメイン料理でした。
とはいえ、「観光客だしわかりません」という顔で、食べたいものを食べたいだけ注文して問題ないと思います(肉だけとか、パスタだけとか、肉・肉・肉!とか)。美味しかったら「Buono (ブォーノ)=おいしい」と言いましょう。日本人観光客が多い地域の店なら「オイシイー!」と返してくれる店員さんもいます(たくさんいました)。
だいたいどこも19時半から20時には開店します。逆にスーパーがこの時間に閉まるので、必要な買い物は済ませておきましょう。
薬局
イタリアにはいたるところに薬局(Farmacia)があります。「そんなに必要なのか?」と不安になるぐらいあります。
「空気」のところで触れましたが、日本人にとってイタリアの空気は良いとは言えません。乾燥しますし、喉を悪くすることもあるでしょう。実際、奥さんは喉を悪くしてしまい、咳が出るようになってしまいました。風邪薬は持参していましたが、さすがに喉の薬は持ってきていなかったので、薬局へ行きました。
事前に「イタリア 喉 薬」で検索して出てきた画像を手に、薬局のおじさんに見せながら「Avete questo? =これありますか?」と言ったのですが、「ごめん、画像のプロポリス入りのものは無いんだ」と言われてしまいました。それでも「喉が痛いので、何かありませんか?」と聞くと、これを渡されました。
イタリアののど飴 ビソルヴォン、トッセ・セダティーヴォ(=咳止め薬)
ライムとはちみつ味と書かれていますが、なんかもっと違うものの味でした。舐めていると奥さんの咳の回数は減ったので、効果はあったのだと思います。ありがとうおじさん。
その後、のど飴だけでは咳がおさまらず、調べた結果「イタリアののどぬーるスプレーがいいぞ」との情報があったので、その画像を手に再度別の薬局へ。「これありますか」と言ったところまたも「無い」とのお答えが。「でも同じようなのはある」とのことで、買ったのがこちら。
イタリアののどぬーるスプレー ボロチリーナ、ゴーラ・ドローレ(=喉の痛み)
薬局のおじさん曰く「Forte. =強いぞ」とのことで、たしかに使った直後に奥さんの咳はしなくなりました。すごすぎる。でも頭がぼんやりするということだったので、もしかしたらこれは麻酔薬に近いのかもしれません。箱に記載のある通り、一度に2回・1日3回までの用法を守って使いました。
それからしばらくして、今度は熱も出てきたので、またまた薬局へ行きました。持参した風邪薬が尽きていたので、新たに「イタリア 風邪薬」で検索して、画像を見せながら「これありますか」と聞くと、3度目の正直か、「Certo =もちろん」とのお答えが。
イタリアの風邪薬 タキフルデック
お湯に溶かして飲む顆粒で、シュワシュワしておいしいです。「レモン味」と書かれている通り、レモンと何かの味がします。これもなんとなく効いた気がします。
小銭の見分け方
ユーロ紙幣を見分けるのは簡単ですが、小銭を見分けるのは最初は苦労します。表面が常に見えていればそれでわかりますが、財布の中では側面しか見えません。できれば側面を覚えましょう。
自分の場合は、
- 2ユーロ:大きい。500円玉みたいな文字が刻まれている
- 1ユーロ:あまり特徴がない。細かくギザギザが刻まれている
- 50セント:大きい。大きくギザギザが刻まれている
- 20セント:1ユーロと同じぐらいの大きさ。広い間隔で50セントと同じ大きさのギザギザが刻まれている。
- 10セント:小さい
- 5セント:さらに小さい
- 2セント:もっと小さい
- 1セント:めちゃくちゃ小さい
と判別していました。10セント以下の硬貨は違いがわかりにくく、自動販売機での取扱も少なくて使いにくく、財布が重くなるだけなので、一日の終りに財布からすべて出してしまっていました。
時間の使い方
イタリアでは日本のように夜でも必ずしもコンビニ(スーパー)が開いているわけではないですし、観光スポットの開いている時間も限られているので、ある程度時間を意識して動く必要があります。
だいたいの目安としては、
ホテルの朝食:朝7時〜朝10時まで
美術館・博物館:朝8時〜夜6時(18時)まで
教会:朝7時〜夕方4時(16時)まで
遺跡:朝8時〜夜7時(19時)まで
スーパー:朝8時〜夜8時(20時)まで
ピザ屋(そのほか昼営業をしている外食店):昼0時(12時)〜昼3時(15時)まで、夜7時(19時)〜深夜0時(24時)まで
リストランテ(夜のみ営業の店):夜7時半(19時半)〜深夜0時(24時)まで
スカラ座公演(ミラノ):14時〜・18時〜・20時〜など
1日のスケジュール例
あくまで一例です。
- 7時:起床
- 7時半:準備完了・ホテルで朝食
- 8時:部屋に戻って出かける準備
- 8時15分:トイレを済ませて出発
- 8時40分:美術館到着。入場待ち
- 9時10分:入場受付。チケット購入
- 11時30分:美術館を出てぶらぶらし始める
- 12時:ピザ屋などが開き始める。昼食として、地元の人がよく行く店でラザニアを食べる
- 13時:次見たいものの場所を確認して、トイレを済ませて店を出る
- 13時半:遺跡到着。入場待ち
- 13時45分:入場受付。チケット購入
- 15時30分:遺跡を出る。足が疲れてきたのでバールで休憩。このあたりで「ボンジョルノ」から「ボナセーラ」に切り替え始める。
- 16時:トイレを済ませてバールを出る。見たかった街並みを探してぶらつく
- 17時30分:疲れてきたのでバールで休憩。トイレを済ませ、ホテルのミニバーにある水だけだと足りない気がするので、スーパーへ
- 18時:スーパーで買い物。その後ホテルへ
- 18時30分:ホテルに到着。荷物を解いてベッドへダイブ
- 19時30分:お腹が空いてきた。近くでおいしいお店がないか探す
- 20時:トイレを済ませ、店に向かって出発
- 20時30分:店に到着。夕食
- 22時:夕食を終えてホテルへ
- 22時30分:ホテルでぐだぐだ。シャワーを浴びる
- 23時:明日行きたい場所などを調べつつ就寝
自分の場合、これを繰り返すと非常に疲れましたし、結果的にこんな感じになっただけであって、常にこうするべきだと意識して行動したわけではありません。個人差が出ると思いますが、時間に余裕があればもっとゆるめのスケジュールでもいいかもしれません。
イタリアの生活についてでした。これからも思い出し次第追加していこうと思います。
イタリア旅行 - フライトについて
イタリア旅行で利用したフライトや空港、航空会社などについて書きます。
フライトの検索や予約については、こちらの記事をご覧ください。
- 手続きの流れ
- 行き(東京からローマへ)
- 行き① CA184(羽田から北京へ)
- 行き② CA939(北京からローマへ)
- 行きのフライトの感想
- 帰り(ローマから東京へ)
- 帰り① SU2403(ローマからモスクワへ)
- 帰り② SU0260(モスクワから成田へ)
- 帰りのフライトの感想
手続きの流れ
搭乗までの流れ
飛行機の搭乗までには、以下の手順を踏みます。
- 空港へ行く
- チェックインする
- 預け入れ荷物を預ける
- 出国審査を受ける
- 保安検査を受ける
- 搭乗口へ移動し、搭乗する
2〜6はすべて空港で完了できますが、チェックイン手続きをWeb上で行うことで当日のチェックインカウンターでの行列を回避でき、フライト前の時間を有効に利用する(例えば、直前の買い物や換金などにあてる)ことができます。
乗り継ぎの流れ
- 飛行機を降りて「Transfer」の案内に従って進む
- 乗り継ぎカウンターで受け付けする
- 出国審査を受ける
- 保安検査を受ける
- 搭乗口へ移動し、搭乗する
乗り継ぎする人と、そのまま入国する人とに途中で道が分かれるので、道中でそれをうまく見極める必要があります。
行き(東京からローマへ)
フライト詳細(予定)
中国国際航空(エアチャイナ)
CA184:エコノミー 10/19 08:30 JST 羽田空港発 同 11:20 CST 北京国際空港着(3時間40分)
CA939:エコノミー 10/19 13:40 CST 北京国際空港発 同 18:55 CET ローマ・フィウミチーノ国際空港着(11時間)
乗り継ぎ時間:2時間20分
実績
CA184:定刻通り08:30 JSTに出発し、12:00 CSTに北京国際空港へ到着。40分の遅れで、乗り継ぎ時間が1時間40分に。
CA939:発着共に定刻通り。
行き① CA184(羽田から北京へ)
搭乗まではスムーズだったのですが、上記の通り遅延が発生し、乗り継ぎが少しシビアになりました。
1. 空港へ行く
羽田空港国際線ターミナルへ向かいます。なるべく慣れているルートを使って、品川駅から京急で行きました。到着駅から直結しているので迷うことはまずないと思いますが、国際線ターミナルは5階層になっており、そのうち出発ロビーのある3階へ向かいます。
2. チェックインする
チェックインカウンターの場所は航空会社ごとに分かれており、入ってすぐの案内カウンター付近に案内板があるのでそれを見て確認しましょう。
今回の中国国際航空(エアチャイナ Air China)はLカウンターでした。中華航空(チャイナエアライン China Airline)と取り違えそうでやや混乱します。
しかし自分の場合、今回チェックインは事前にWebで行ったので、カウンターでのチェックインは行いませんでした。Webチェックインは出発の24時間前から始まります。フライト予約時に座席を指定しなかった場合はここで指定することができ、搭乗券を家で印刷することも可能です。
ただし中国国際航空の場合、チェックイン完了画面での選択肢として「搭乗券をメールで送る」「印刷用のPDFをダウンロードする」「搭乗券をWebで開く」の3つが表示されるのですが(※うろ覚えです)、なぜか乗り継ぎ後のフライトだけについて「印刷用のPDFをダウンロードする」ボタンが無効になっており、押せませんでした。
「ここで搭乗券を印刷しないと飛行機に乗れない!」と思っていた自分は焦って、完了画面をWebインスペクタで開き、無効(disabled)になっているのを編集で削って押せるようにして、ボタンを押してPDFを無理矢理ダウンロードして印刷しました。
3. 預け入れ荷物を預ける
Webチェックインを済ませている場合、空港に着いたらそのまま荷物の預け入れに進めます。預け入れカウンターはチェックインカウンターのすぐ横にありました。エコノミーの場合、荷物は1人1個23kgまでとなっています。
また、家で印刷しておいた搭乗券を、ここで係の人に渡します。すると、A4の紙ぺらだった自家製搭乗券をちゃんとした厚めの紙のしっかりしたものに替えてくれます。乗り継ぎ用の搭乗券もちゃんと発行してくれるので、今思えば無理矢理印刷してくる必要なかったのかもしれません。
とはいえ、荷物を預けずにすべて機内持ち込みにする人はここを通らないはずなので、その場合はやはり印刷が必要なのかもしれません。
4. 出国審査を受ける
5. 保安検査を受ける
これらについては、案内に従っていれば何もしなくても済みます。羽田空港は日本語で案内してくれますし簡単です。
6. 搭乗口へ移動し、搭乗する
これも出発ゲートの案内を見れば簡単にわかります。ただし、事前に聞いていた通り中国国際航空は搭乗口が遠くにあるので、ある程度時間に余裕をもって移動したほうが良いでしょう。
保安検査場から搭乗口までの間にはブランドショップや土産物屋、飲食店が並んでいます。ここで購入したペットボトルは機内に持ち込むことが可能ですが、乗り継ぎ時の保安検査で没収されてしまうと思われます。
行き② CA939(北京からローマへ)
乗り継ぎ時間はシビアでしたが、こちらは定刻通りに到着しました。
3列シートのうち一番通路側に中国のおじさんが乗っていたのですが、この方も紳士的で、トイレに行って戻ったら、にこやかにずっと通路を開けて待っていてくれたりしました。
長時間のフライトでしたが、機内でうまく眠れたこともあり、ローマに到着後に時差ボケで悩むこともありませんでした。
1. 飛行機を降りて「Transfer」の案内に従って進む
国際線はターミナル3(T3)と呼ばれる大きな建物に到着します。降りたらバスに乗り、ターミナル内へ移動します。そこから乗り継ぎ手続きの行われる場所へ移動していきます。わかりやすいところに看板で表示してはありますが、「Transfer を見失えば、死」ぐらいの気持ちでいましょう。
2. 乗り継ぎカウンターで受け付けする
と上にも書きましたが、北京国際空港に乗り継ぎカウンターはありませんでした(たしか)。サーモグラフィーによる体調チェックエリアを通過して、居並ぶゲートの内の最も左側にある、「国際線乗り継ぎ専用ゲート」(日本語での表記あり)に入っていきます。
3. 出国審査を受ける
4. 保安検査を受ける
出国審査場を通った階下に保安検査場があります。どちらの審査も並びますが、とくに保安検査に長蛇の列ができていました。
チェック内容は羽田と同じです。ただ、携帯バッテリーなどのバッテリーを含む製品は機内持ち込みにしなければならないと聞いていたので、羽田から持ち込み荷物にしました。保安検査時に荷物をガサゴソされた際に「これはなんだ?」と手振りで聞かれたので、「This is a battery」と答えると、普通に通過できました。身体検査も全身に手と探知機を当てて入念に行われます。
5. 搭乗口へ移動し、搭乗する
チェックが終われば、あとは搭乗するだけ。しかしT3は搭乗口から飛行機までの間をバスがつないでいるので、それだけ時間の余裕をもって到着している必要があります。また、自分たちが乗る飛行機のゲートはT3の最もはしだったので、歩いてしばらくかかりました。ゲートに到着すると担当のおばちゃんたちが「急げ急げ!」と手で合図していたので、促されるままバスに乗車。自分たちのあとにおじさんが駆け込んできて、バスが出発しました。
飛行機の遅延のせいで1時間40分しかなかったこともあり、かなりギリギリの乗り継ぎになってしまいました。
行きのフライトの感想
食事:やや良し
CA184とCA939で昼食と夕食が出ました。味は美味しいと言うほどでないにしても思っていたよりは良く、すべて食べられました。ドリンクも普通にお茶・オレンジジュース・コーラ・セブンアップ・ワイン・ビールなどが用意されており、初回の提供後は酒類以外はセルフサービスで自由に取りに行くことができました。
エンタメ:ふつう
CA184(エアバスA320)にエンターテイメント設備はなし。CA939(ボーイング787-9)にはいわゆるタブレットが埋め込まれたような形式のものがありました。ヘッドフォンは耳にパッドを当てるタイプで、音漏れするもの。機内での他の人の挙動を見ている限り、「他の人の迷惑にならないように、なるべく静かに過ごそう」という考え方は日本人特有のものなのかなと感じました。自分の隣に座ってたおじさんは、最初は鼻歌だったのが徐々に普通に声に出して歌い始め、最後にはエンタメの音楽に合わせて熱唱してたし…。
エンタメの言語設定はたしか英語・簡体字・繁体字・スペイン語・フランス語?だったと思います。当然日本語設定はなし。映画の音声にも基本的に日本語はありませんが、たまーにあるようです(「怪盗グルーのミニオン大脱走」は日本語音声ありだったようで、奥さんが見ていました。かわいい)。
タブレットベースなので、タッチ感度は良いです。
また、飛行機が今どこを飛んでいて、あと何時間の予定なのかを表示するモードがあり、外の状況を把握することでなんとなく安心できたのが良かったです。
サービス:ふつう
キャビンアテンダントさんのサービスは普通で、可もなく不可もなしという感じでした。アナウンスは日本語のものはありませんでした。日本行きじゃないからかと思います。
シートベルト着用のサインが消えることは基本的に無いので、歩きたい場合は「機体が安定したかな?」と感じ時に自分の判断で立ちましょう。もし駄目なら注意してもらえますし。
居心地:やや悪し
CA184は左3列・右3列、CA939は左3列・中央4列・右3列でした。2人で移動するので、つねにそばに他人が1人いる状態です。また、トイレに行くにも他人を気にする必要があり、やや居心地は悪かったです。そしてそのトイレの数も少なめでした(前後に合わせて3つ?)。
座席の広さは、身長180cmで痩せ型の自分としてはやや窮屈に思うぐらいで、大きな問題はありませんでした。リクライニングは遠慮していても意味が無いので、「倒したモン勝ちやろ」の精神で倒しましょう。もし駄目ならそう言われますし。
操縦:良し
上手です。とくに着陸がスムーズで優しく、とくに言うことありません。
北京国際空港ターミナル3:悪し
新しく拡張している空港施設らしく、広々としてやや殺風景。看板での案内はわかりやすい。ただ、広すぎて移動がつらい。飛行機へのバス移動も不便。ゲート担当のおばちゃんがバスに乗せてきた車椅子っぽい何かが、バスが左右へ振れるたびにゴロゴロ転がって不快だった。こう思い出すと、もうあんまり使いたくない印象の空港でした。
帰り(ローマから東京へ)
フライト詳細(予定)
SU2403:エコノミー 11/2 11:10 CET ローマ・フィウミチーノ国際空港発 同 16:55 MSK モスクワ・シェレメチェボ国際空港着(3時間25分)
SU0260:エコノミー 11/2 20:00 MSK モスクワ・シェレメチェボ国際空港発 11/3 11:40 JST 成田空港着(9時間20分)
乗り継ぎ時間:3時間5分
実績
SU2403:11:03 CETに出発(7分早い)し、16:38 MSKに到着(17分早い)。
SU0260:発着共に定刻通り。
帰り① SU2403(ローマからモスクワへ)
非常にスムーズに手続きが完了し、空港内の表示もわかりやすかったので迷うこともなく、楽に搭乗できました。
発着も定刻通りで大満足です。
1. 空港へ行く
ローマの中心部にある鉄道駅 Roma Termini 駅から、空港のある Fiumicino Aeroporto 駅までは、直通列車のレオナルド・エクスプレスに乗るのが便利です。片道32分、一人14ユーロで荷物置き場が豊富にあり、揺れも少なく静かです。およそ30分ごとに1本出ています。
切符予約購入の方法は、こちらの記事で紹介しています。
乗り方についてはこちら。
ローカル線もありますが、友達に聞いた話ではエレベーターの無い駅で乗り換える必要があり、大変だったそうです。
バス便もあるようですが、利用したことがないので詳細はわかりません。行きの際に空港に到着して最初に長々と話しかけてきたのは、ここの客引きのおじさんでした(初遭遇のイタリア人は入国検査場の人)。
2. チェックインする
行きと同じくWeb上でオンラインチェックインを済ませていました。スマホからも利用可能です。
チェックインが完了すると、搭乗券をメールで送信することができるので、メールで受け取って、ホテルのフロントで印刷を依頼しました。
3. 預け入れ荷物を預ける
ここも行きと同じです。預け入れ時に印刷してきた搭乗券を渡すと、ちゃんとした搭乗券に替えてくれます。
また、フィウミチーノ空港では、スーツケースの盗難や傷つきの防止のため、スーツケースラッピングサービスを受けることができます。基本プランはひとつ10ユーロ、プレミアムは15ユーロでしたが、何が変わるのかよくわからなかったし説明もされなかったので10ユーロのプランにしました。
参考(業者の公式):Airport luggage wrapping service - Safe Bag
いまさらですが公式サイトを見ると、基本プランはラッピングだけでなく、荷物ごとに発行されるコードを読み取ることで、万一のロストバゲージの際に見つけやすくしてくれるようです(たしかに何かのバーコードを受け取りました)。荷物に傷がついていた場合、1000ユーロまでの補償もあるのだとか。
プレミアムプランの場合、SITA ワールドトラッカーシステムを使用することで、ロストバゲージを報告してから24時間以内に荷物を見つけ出し、もしそれができなかった場合には遅延1日あたり100ユーロ(最大1000ユーロ)が、紛失の際には最大4000ユーロが支払われるそうです。
4. 出国審査を受ける
5. 保安検査を受ける
中国ほど厳しくなく、日本と同じ感じです。出国審査場のおじさんは言葉少なに真剣な顔をしていたので、真面目な人なんだなと思っていたんですが、奥さん曰く「あのひと Yahoo! ニュースをずっと見てた」そうでした。さすがはイタリア人。
6. 搭乗口へ移動し、搭乗する
空港に着いたのがおよそ8時45分頃で、搭乗開始(Boarding Time)が10時20分と、少し心もとない時間だったのですが、予めWebチェックインを済ませていたので、カプチーノを飲んで一息つくことができました。Webチェックインは本当に楽ですし、心の余裕を生みます。
帰り② SU0260(モスクワから成田へ)
モスクワはとても寒い場所でした。空港内はそうでもないのですが、搭乗ゲート付近は外気温の影響ですごく冷えます。それもそのはずで、ローマが最高気温20℃前後だったのに対し、モスクワは5℃前後でした。雪もうっすら積もっていました。
1. 飛行機を降りて「Transfer」の案内に従って進む
ロシア語はさっぱり読めませんが、英語での記載もあるので「Transfer を見逃せば、死」を念頭に置いて移動していきます。
2. 乗り継ぎカウンターで受け付けする
歩いていると、トイレを過ぎたところに乗り継ぎ受け付けがあります。そこでローマで発行してもらった乗り継ぎ便の搭乗券を確認してもらいます。
3. 出国審査を受ける
4. 保安検査を受ける
イタリアほどゆるくはありませんが、中国ほど厳しくもなく、スムーズでした。
また、10年ほど昔のシェレメチェボ国際空港についてのブログ記事に、「シェレメチェボ国際空港では列が作られることもなく、ものすごい数の人でごった返しており、とにかく搭乗券とパスポートを担当者に渡せた者だけが勝利する」という内容の記載がありましたが、列がきちんと作られ他の空港と変わりなく、状況はとても改善していました。
5. 搭乗口へ移動し、搭乗する
出国審査と保安検査が終われば、あとは電光掲示板で自分の乗る便の搭乗ゲートを確認し、移動して待つだけです。今回はDの05番ゲートでしたが、05〜08は1階に広めの待合室があり、バーガーキングのテーブルが空いていたので、ポテトとジュースを購入して(ルーブルが無くてもカードで決済できます)ずっと座っていました。
ところが搭乗開始時刻(Boarding Time)の30分前に、何やら気になるアナウンスが。ロシア語訛りの英語でしたが、「Tokyo」だけはなんだか聞き取れます。「気のせいか?」とも思いましたがしきりに繰り返していたので、搭乗ゲートを表示している電光掲示板を見てみると、案の定搭乗ゲートがDの05番からDの30番に変更になっているではありませんか。
まだ時間的に余裕があったものの30番の場所がわからなかったので、早めに移動しました。モスクワ発東京行きの便には日本人客が多く、ツアーの団体さんたちもいました。自分たちが30番で搭乗開始を待っていると、「アッ!30番ここだわ!」などと言いながらどやどやと団体さんも遅れてやってきて、ちょっと安心したのでした。そんなときにスマホに着信があり、何かと思ったらアエロフロートからの「搭乗口変更のお知らせ」がSMSで届いたのでした。こういったこともあるので、念のため空港では機内モードはオフに戻しておいたほうが良いでしょう。ちなみに30番ゲート付近にはフライデーズがあります。
その後は何事もなく、無事乗れました。
帰りのフライトの感想
食事:やや悪し
夕食と昼食を食べました。しかしながら、味は中国国際航空のものよりもやや落ちる気がします。味が受け付けず、食べられないものもありました(ココナッツケーキや、謎のフルーツバー)。
エンタメ:ふつう
タブレットではなく、液晶画面が埋め込まれているタイプのものでした。そのためタッチ感度は良くありませんでした。
とはいえイヤホンはイン・イヤータイプで密閉性が高く、音もしっかり聞こえるものでとても良かったです。
言語設定は英語・ロシア語・簡体字・フランス語・スペイン語あたりだったと思います。日本語設定はやはりありません。映画の日本語音声も中国国際航空以上に少なく、自分は『PowerRangers』のイタリア語版と、『攻殻機動隊』の日本語版を見ました。
フライト状況画面もあったのですが、選択すると「Now Loading...」の画面のまま止まってしまい、使用できませんでした。
サービス:やや良し
キャビンアテンダントさんのサービスは普通でしたが、アメニティ(携帯スリッパ・耳栓・アイマスク・リップクリームと収納袋のセット)を用意してくれたり、こまめに飲み物を用意してくれたりと、中国国際航空よりも良いサービスが受けられました。
日本行きの便のためか、機内アナウンスに日本語もありました。機長自らが「ミナサ〜マ、マモナ〜ク、」などと話してくれるのは面白みもありつつ温かさを感じます。
居心地:やや良し
SU2403(エアバスA320)は行きのCA184と同じ機材で、右3列・左3列でした。そのため居心地は同じです。反面、SU0260(エアバスA321)は大きく、右2列・中央4列・左2列でした。今回の2人旅行には2列座席が嬉しく、気軽にトイレに行くことができたり、手荷物を確認する必要がなかったり、何かと快適でした。
エアバスA321の前座席との間隔は、なぜかやや狭く感じました。前座席の大柄な白人男性は、定期的に座席を立ってその横で足のストレッチを行ってましたが、時差ボケ防止やエコノミー症候群防止のためかなと思いました。
フィウミチーノ国際空港:良し
広いながらも動く歩道が豊富に置かれていて、わかりやすい位置に案内板があり、開放感があるのに殺風景ではありませんでした。カフェも適度に用意されていて、飛行機を待ちながら一服することができます。Roma Termini 駅とのアクセスも良く、全体的に使い勝手の良い便利な空港でした。
シェレメチェボ国際空港:やや良し
どこの通路もやや狭く、開放感の無い空港でした。その反面、お土産物屋や食事処は豊富にあり、搭乗までの時間を潰すのに便利です。自動販売機の操作方法がわからず、飲み物が買えなかったのは苦労しましたが、調べたり聞いたりすれば良さそうです。
あとは寒さ。とにかく寒いです。出発前に「これから機材についた氷を落とします」と言って、羽に向かって盛大にお湯をかけていました。
全体的に見て、中国国際航空はもう利用しないかなと感じました。アエロフロートは10年前・5年前などのレビューを見て戦々恐々としながら乗り込んだのですが、何のトラブルもなく、とても快適に過ごせました。また機会があれば利用することでしょう。
イタリアに行ってきました
2017年10月19日から11月3日の15日間、イタリアを旅行してきました。
ここでは旅行に関連したよしなしごとについて書きます。
なぜイタリアなのか?
- 友達がいるから
- 奥さんが行ったことない国だから
- 高校の授業は世界史選択で、ローマ帝国関連で興味があったから
- ごはんおいしそうだから
- 人が優しそうだから
ちなみに奥さんはドイツ・フランスに行ったことがあり、今回一時スペインにも行く予定を組んでいたのですが、カタルーニャ州独立運動の関係で訪問を避けました。
旅の流れ
- 10/19:羽田空港から北京国際空港経由でローマへ。そのままローマ泊。
- 10/20:ローマからカゼルタ(Map)へ。
- 10/23:カゼルタからフィレンツェへ。
- 10/25:フィレンツェからミラノへ。
- 10/28:ミラノからローマへ。
- 11/1:ローマから日帰りでヴェネツィアへ。
- 11/2:ローマからモスクワシェレメチェボ国際空港経由で成田空港へ。明けて11/3着。帰宅。
ここからは記事が分かれます
興味分野ごとに、以下に分けて書いていきます。
イタリア旅行 - 旅の準備
イタリアに旅行する前にした準備や、やっておいてよかったこと、やっておけばよかったと感じたことについて書きます。
※(TBD)の箇所は後ほど編集します。
行く場所を決める
イタリアの中に観光地はいくつかあり、大きく北イタリア・中央イタリア・南イタリアに分かれています。
参考:ヨーロッパ観光旅行ガイド|ベネチア・ピサ・シエナ・モンサンミッシェル・バルセロナ・パリ
今回の自分の場合は、友達がいるナポリとミラノに行くことはすぐに決まりました。
イタリアに行くからにはローマ・ヴェネツィアには行っておきたいし、そうなると、ローマとミラノの間にあるフィレンツェにも…と考えた結果、南イタリアは諦め、以下の5都市に絞り込みました。
それから友達の都合や地理的条件・見たさの度合い(数日滞在したいのか、必ず見たいものがあるのか、ただ行って雰囲気がわかればいいのか…)を考慮して、スケジュールを決めました。各都市ともに魅力的で見どころも多くあり、ここが悩みどころです。
自分の場合は、
- ナポリ(3日):友達の案内で数日滞在したい
- ローマ(5日):サン・ピエトロ大聖堂にあるミケランジェロのピエタや、バチカン博物館のシスティーナ礼拝堂が見たい。ローマから日帰りでどこかに行っても良い
- フィレンツェ(2日):ドゥオーモが見たい
- ミラノ(3日):アニメ『ロミオの青い空』の舞台を巡りたい。友達の家に宿泊したい
- ヴェネツィア(日帰りで1日):ただ行ってみたい。あわよくばゴンドラに乗りたい
としました。
フライトの予約
目的地が決まれば、まずは国を出入りするために、飛行機を予約します。
今回の旅はツアーではなく、すべて自分で用意して行きました。というのも、まず価格が高いことと、長期旅行で時間的に強く束縛されると後半に気が滅入るだろうと思ったからということ、また誰かの指示に任せるのは楽である反面、退屈だと感じたことからです。ツアーでは、自分でのフライト予約は必要ありません。
フライトの予約にはスカイスキャナー( https://www.skyscanner.jp/ )を利用しました。スカイスキャナーでは、出発地と目的地、出発日と人数を入力するだけで簡単にフライトの検索ができます。
今回の初日の目的地であるローマなら、フィウミチーノ国際空港とチャンピーノ国際空港とがあります。これらのうちフィウミチーノのほうが大規模で、チャンピーノは周辺の欧州国からのLCCが主なようです。
今回は、現地に着いてから迷うことが少なそうな、フィウミチーノ国際空港を選択しました。また、行きはとくに考えず、アクセスが良さそうな羽田空港にしました。
その場合の画面はこんな感じです(※イメージ)。
とはいえイタリアには、ローマの他にも空港があります。
北イタリア
- ミラノ・マルペンサ空港
- ミラノ・リナーテ空港(エンリコ・フォルラニーニ空港)
- ベルガモ・オーリオ・アル・セーリオ空港
- トリノ空港(サンドロ・ペルティーニ国際空港)
- ジェノヴァ・セストリ空港
- ヴェネツィア・テッセラ空港(マルコ・ポーロ空港)
- トリエステ・ロンキ・デイ・レジョナーリ空港(フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア空港)
- トレヴィーゾ空港
- ボローニャ・ボルゴ・パニガーレ空港(ボローニャ・マルコーニ空港)
中央イタリア
- ローマ フィウミチーノ空港(レオナルド・ダ・ビンチ空港)
- ローマ チャンピーノ空港
- フィレンツェ ペレトラ空港
- ピサ空港(ガリレオ・ガリレイ空港)
- リミニ空港(フェデリコ・フェリーニ空港)
南イタリア
- ナポリ・カポディキーノ空港
- バーリ空港(カロル・ヴォイティワ空港)
各目的地に合わせて利用するのが良いでしょう。自分の場合、初日はナポリに宿泊できるようカポディキーノ空港を利用しても良かったかもしれない、と思いました。ただし空港もホテルもナポリでは使っていないので、実際のところはわかりません。
航空会社は、中国国際航空(中国)とアエロフロート(ロシア)を利用しました。
選定基準は大部分が予算ですが、その他にもSkyチームに参加していることや、Googleで検索してみて直近3年間ほどで評判が悪くないこと、直行便でない場合は空港での乗り継ぎ時間が十分にあること(移動・セキュリティチェック・トイレ・飛行機遅延などを考慮して最低でも2時間は確保したい)を基準にしました。
行き・帰りともに航空会社のWebサイトで直接予約しました。どちらも日本語で予約が完了できます。
各フライトの予定詳細は以下の通りです(※実績ではありません)。
行き
中国国際航空(エアチャイナ)
CA184:10/19 08:30 JST 羽田空港発 同 11:20 CST 北京国際空港着(3時間40分)
CA939:10/19 13:40 CST 北京国際空港発 同 18:55 CET ローマ・フィウミチーノ国際空港着(11時間)
乗り継ぎ時間:2時間20分
帰り
Aeroflot(アエロフロート)
SU2403:11/2 11:10 CET ローマ・フィウミチーノ国際空港発 同 16:55 MSK モスクワ・シェレメチェボ国際空港着(3時間25分)
SU0260:11/2 20:00 MSK モスクワ・シェレメチェボ国際空港発 11/3 11:40 JST 成田空港着(9時間20分)
乗り継ぎ時間:3時間5分
予約の注意点やチェックイン・空港での乗り継ぎや実際のフライト中の感想などは以下の記事にまとめています。
ホテルの予約
ホテルの予約には Booking.com( https://www.booking.com/ )を利用しました。こちらのサイトもスカイスキャナー同様に洗練されており検索しやすく、スマホアプリでの予約管理ができるので、便利です。
滞在する各都市について、ホテルを探していきます。自分の場合、初日はローマに夜19時に到着するので、不慣れな土地で無理にナポリ(電車で約1時間30分)へ向かうことはせず、そのまま一泊することにしました。
夜なので駅からある程度近いこと、口コミの評価点が9点以上あること、Wi-Fiが無料で使えること、到着時間が遅いので、夜でもチェックインできるホテルを選びました。
10/19(ローマ):スムース ホテル ローマ テルミニ (イタリア ローマ) - Booking.com
同じように他の滞在場所についても予約していきます。
その際に注意したいのは、Booking.com では予約時に必ずしも即座にカードに請求がかからないことです。予約フォームにカード情報を入力しますが、それは宿泊者の身分や収入の証明のためであって、そのまま請求がかかるか、もしくは滞在後のチェックアウト時に請求されるかはホテル次第です(後者の場合は現金払いが可能なホテルもあります)。
また、宿泊税についても考慮すべきでしょう。イタリアでは都市とホテルランクにより、一泊一名ごとに税金がかかります。
参考:宿泊税のご案内
ホテルランクは星の数で表現され、イタリアの場合はホテルの備品や施設の充実度合いを表現しているそうです。税額はローマが最も高く設定されていて、ミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ナポリの順に安くなっていきます。また、もちろんカゼルタのように課税されない都市もあります。
宿泊税の支払い方法はホテルによりけりで、カード可であることも、現金のみの受付であることもあります。
それから、Booking.com ではキャンセル料が無料になる期間のついた予約も可能です。自分の場合は最後のローマ5日間の滞在について、イタリアでもっと気に入った場所があればそこでの滞在に変更したいと考えていたので、あえてキャンセル無料期間つき(宿泊の4日前、10月25日まで)の予約にしました。ただ、そのぶんいくらか宿泊料が高くなってしまいます。
さて、今回宿泊したホテルを以下に列記します。
10/19(ローマ):スムース ホテル ローマ テルミニ (イタリア ローマ) - Booking.com
10/20-/22(カゼルタ):Cas'E Charming House (イタリア カゼルタ) - Booking.com
10/23-/25(フィレンツェ):ホテル アストロ メディセオ (イタリア フィレンツェ) - Booking.com
10/26-/28(ミラノ):ホテル ダ ヴィンチ (イタリア ミラノ) - Booking.com
10/29-11/2(ローマ):ホテル イタリア (イタリア ローマ) - Booking.com
どのホテルも本当に気持ちよく滞在できました。
実際に宿泊しての感想などは別記事にまとめています。
列車の予約
さてはて、続いては列車の予約です。イタリアには複数の長距離鉄道会社があり、日本のようにほとんどJRで統一されているわけではありません。
-
Italo ( http://www.italotreno.it/en )
-
Trenitalia ( http://www.trenitalia.com/tcom-en )
自分の場合はなんとなく安心できるので、かつての国鉄を引き継いだ主要鉄道会社である Trenitalia だけを利用しました。上記にはいずれも英語のサイトを記載しましたが、トレニタリアの場合は日本語サイトも用意されています( http://www.trenitalia.jp/ )。
ただし、日本語サイトをイタリア国内から利用しようとした場合、クレジットカードでの決済がうまくいきませんでした。問い合わせたところ、どうやらセキュリティのために日本国内からの決済のみに限定しているそうです。イタリア旅行中にふいに切符が必要になった場合、もちろん駅での自動券売機も利用できますが、Web予約よりも高価です。自分の場合、ナポリからローマへの列車が、当日券売機での購入で1人90ユーロするところが、Web予約では2人で45ユーロほどになりました。また、駅の自動券売機付近には詐欺師がうろついており、切符の購入を勝手に手伝った後で金銭を要求してきます。自動券売機は3回ほど使いましたが、うち一度だけ「フレンズ!フレンズ!フレンズ!」と連呼する男に絡まれました。
イタリア国内での駅表示に慣れるためにも、できればイタリア語版サイトで慣れておくのが良いでしょう。
予約の方法
こちらが検索フォームです。なんとなく意味がわかると思います。
Da:発駅名(この場合はフィウミチーノ空港駅)
A:着駅名(この場合はローマ・テルミニ駅)
SOLO ANDATA:片道のみ
ANDATA E RITORNO:往復(行きと帰り)
Adulti:大人
Ragazzi:子供(4歳未満は無料で席も用意されないが、座る場合は半額。4〜14歳は各州を結ぶ長距離列車ならBaseの価格から半額。Baseはプラン名※後述)
列車の種類
イタリアの列車には、フレッチェ(Frecciarossa, Frecciargento, Frecciabianca の3種)と呼ばれる新幹線に似た長距離列車と、レジオナーリ(Regionali)と呼ばれるローカルの列車、インターシティ(Intercity)と呼ばれる都市間列車とがあります。フレッチェ、インターシティ、レジオナーリの順で速く、料金もまた高くなります。
フレッチェは遅延も揺れも少なく、スーツケースなどの大きな荷物を積めるスペースや、車内販売や売店車両もあるため、旅行においては快適です。反面レジオナーリは価格が安いのですが、乗客の層が限定されないことで治安上の不安があります。また、自分はインターシティには乗ったことがありません。
参考(Frecciarossa 1000の紹介):The new Frecciarossa 1000 - Frecce - Trenitalia
参考(レジオナーリの一例):Abruzzo: ancora atti vandalici ai danni di un treno regionale - Trenitalia - FSNews
フレッチェのプラン(Offetra)
フレッチェに乗る場合、どの契約プランを選択するかによって価格が大きく異なります。
Base:CartaFreccia(雑誌。イタリア語)有り、払い戻しあり、差額支払いによるサービス(Standard, Premium, Business, Exective など)の変更が可能、日付・時間・列車の変更も無料で可能(1時間前までに1度だけ)。変更手続きをしていない場合も、列車出発時刻の1時間前後までであれば10ユーロのペナルティを支払うことで変更が可能。
Economy:CartaFreccia(雑誌。イタリア語)有り、払い戻し、列車の変更不可。日時については、同じカテゴリ(未利用のため不明)の列車であれば、出発前にBaseとの差額を支払うことで変更が可能。
SuperEconomy:CartaFreccia(雑誌。イタリア語)有り、払い戻し、列車、日時などのいかなる変更が不可。
2x1 Special Offer:2人分のチケットが1人分の価格で購入できるプラン。条件はSuperEconomyと同じ。出発の2日前までに購入する必要がある。
自分は2人旅で、予約の変更をすることも無いと思っていたため(実際は一度変更したくなることがありましたが)、このうちBaseを除く3種類のうちからしか選びませんでした。その他にも家族プランやビジネスプランなどもあるようなので、詳細は公式サイトを見てみてください。
また、サービス(Servizio)は何度か Premium がほとんど Standard と変わらないときがあった以外には、Standard 一択でした。両者の違いは車内販売やウェルカムドリンクの有無ぐらいで、ほとんど変わりません。
例えばこんな画面でプランとサービスを選んだら、
座席を指定する場合は右下の「Scelgo il posto(座席を選ぶ)」にチェックを入れて、Continua (続ける)を押します。
するとたまにこんなダイアログが出ます。
これは、要するに「追加でいくら払えばひとつ上のプランに変更できますよ」というオファーです。受け入れるなら赤いボタン(Accetto a proseguo =受け入れて進む)を、必要なければ白いボタン(Proseguo senza cambiare =変更せず進む)を押しましょう。
座席指定画面です。
セレクトボックスから車両番号を選び、空いている緑色のシートをクリックして選択したら、確認(Conferma)ボタンを押して進みます。
ここで注意したいのは、Frecciarossa 1000 の車両が4A〜8A・8B〜4Bの順でつながっていることです。より駅舎に近い側の車両が4Aなら、そこから最も遠い車両番号は4Bになります(逆もまた然り)。もし歩きたくなければ最も近い車両番号を選ぶ必要があるのですが、AとBの向きがどう決まるのか、自分にはわかりませんでした。そのため、8Aまたは8Bあたりの中央の車両を選んでおくと安全だと思われます。
さて、個人情報入力フォームまで来ました。もう少しです。
予め「Effettuo il login(ログインする)」が選ばれているので、その右の「Proseguo senza fare il login(ログインせずに続ける)」を選び直します。
Nome:名前。下の名前
Cognome:苗字。ファミリーネーム
e-mail:メールアドレス
Conferma e-mail:確認用メールアドレス(再入力)
Telefono:電話番号(任意入力)
Copia i dati nei passeggeri, sono anche un passeggero del viaggio:以下にある乗車者の氏名に、上記入力内容をコピーするかどうか。予約者が乗車するならチェックする
ここまでくればあとは簡単で、乗車する人の氏名・誕生日・メールアドレス(任意)と、必要な他サービスと、支払い方法を選択し、支払うだけです。上記に入力したメールアドレス宛に、Trenitalia から「Il Tuo Biglietto Trenitalia(あなたのトレニタリアの切符)」というタイトルのメールが届きます。添付ファイルがそのまま切符として使えます。
列車の乗り方については、以下別記事にまとめています。
持っていくものの用意
さて、予約が済みました。あとは行くだけです。しかし、もちろん手ぶらというわけにはいきません。
絶対に必要なもの(ないと旅ができない)
- パスポート
- 旅行の日程表
- 航空券(行き・帰り)
- 着替え
- 薬(普段飲むものがあれば)
- 現金(円)
- 現金(ユーロ)
- 財布1(家から空港まで、空港から家までの日本円が入ったもの)
- 財布2(ユーロを入れて使うもの)
- 予備の日本円
あれば安心できるもの(ないと万が一の場合非常に困る)
- パスポートのコピー
- パスポートを首から下げる入れ物
- パスポート再発行用の顔写真2枚
- 日程表のコピー
- クレジットカードのコピー(スマホに写真を撮っておいても良い)
- 経由地および目的地の日本大使館・日本総領事館までの地図、現地語表記の住所
- 立ち寄る場所の地図、現地語表記の住所
- 海外旅行保険の証書(au海外旅行保険を利用しました。安かったので…)
- 海外旅行保険の保険金請求書
- クレジットカードの会員優待について書かれたパンフレット(あれば)
- 印刷したホテル予約票
- 印刷した列車予約票(Trenitalia の場合は添付されているファイルを印刷したもの)
- スマホ(観光やストに関する日本語の情報を調べたり、切符の予約などに使う)
- 携帯バッテリー
- コンセント変換アダプタ(C型)
- 安心して飲める風邪薬やのど飴
- ガイドブック
- 旅行会話集(持ち運びやすいもの)
- 財布3(万が一のためのダミー用)
- スーツケースベルト
- 寝間着(もしものとき外に出ても大丈夫なもの)
- 歯ブラシ・歯磨き粉
- ボールペン
- 折り畳み傘
あれば快適なもの(なくてもなんとかなる)
- Wi-Fiルーター
- 携帯用スリッパ
- ネックピロー
- 密閉型のイヤホンまたはヘッドホン
- アイマスク
- 書類を入れておくケース
- エコバッグ
- 携帯用シャンプー・リンス
- くし
- シェーバー
- サングラス
- ビニール袋
- 水に流せるポケットティッシュ
- ウェットティッシュ
- 保湿クリーム
- 小分けにした衣類用洗剤
- 腕時計
- メモ帳
ビザについて
90日以内の観光の場合、日本のパスポート所持者はビザが必要ありません。ありがたや。
パスポートの残存期限について
入国の際、それぞれの国ごとにパスポートの有効期限までの間の必要日数が設定されています。これが不足していると入国できません。イタリアの場合、上記のシェンゲン協定の定める90日以上の残日数が必要です。
パスポートの再発行について
パスポートの再発行には現地警察の発行する盗難証明書と、もともとのパスポートのコピー、さらに証明写真が必要なのだそうです。証明写真は現地でも、日本にあるような証明写真機で撮影可能ですが、サイズが合うかどうかは確認していないのでわかりません。
参考:イタリアの 『スピード証明写真』 ( ヨーロッパ ) - ** DOLCE VITA in ITALIA ** - Yahoo!ブログ
現金について
円からユーロへは、日本国内で換金するのがレート的に有利だそうで、自分も羽田空港の国際線発着ターミナル内にあるみずほ銀行のカウンターで換金しました。
イタリアは日本よりも少しだけクレジットカードの使える店舗が多い印象を受けました。切符でも、レストランでも、ホテルでも、スーパーでも、マクドナルドでも、たいていのことはクレジットカードでの支払いが可能です。しかし、たまに現金のみしか受け付けていない場合があります(一部の博物館・遺跡の入場料や、ホテルの宿泊税、露店など)。また、そもそもそんな店で買うなという話かもしれませんが、安全面からクレジットカードを使用したくない場合もありえます。そういうときのためにユーロも必ず用意しておくべきでしょう。お釣りの小銭をごまかされるリスクがありますが、クレジットカードの不正使用のそれよりはだいぶマシです。
また、クレジットカードの使用額は、限度額に至らないよう空けておき、普段使いのもの以外に念のためとして複数枚持参しましょう。
あくまで自分の場合ですが、すべてをなるべくクレジットカードで支払ったとしたら、15日間で使用した現金は概算で合計80ユーロにもなっていません。
実際には、出国前にイタリアでどの程度クレジットカードが使えるかわからず、またイタリア国内でのレートの悪い換金をできるだけ避けるために、1100ユーロほどを持ち込んで、クレジットカードを使わずになるべく現金払いにするようにしていました。そのおかげで、一度も CAMBIO(両替商)や現地銀行のお世話にはなりませんでした。もしやむなく現地で換金する場合には銀行が一番レートが良いらしいのですが、開いている時間が限られていて、さらに混雑もするそうなので、そんなことに時間を使うよりは、できるかぎり避けたほうが無難でしょう。
使わなかったもの
幸い、今回の旅では大きく困るようなトラブルはほとんど発生しませんでした。そのため、パスポートのコピーや証明書のコピー、海外旅行保険の証書、大使館までの地図、ダミーの財布など、トラブル対処用品は一切使用していません。しかし、これらは必ず持っていったほうが良いです。
また、上記のリストにはないカメラ(コンデジ)を持っていったのですが、これもまったく使いませんでした。普段持ち運ぶ荷物を増やしたくないこと、また画質にそれほどこだわりがなく、スマホ(iPhone7)のカメラのもので十分だったからです。クリップ式の広角レンズを別途購入し、これを使うことで背景を大きく含めた自撮りも簡単に撮影できました。
参考:Amazon.co.jp 売れ筋ランキング: スマートフォン用カメラレンズ の中で最も人気のある商品です(非アフィリエイトリンク)
コンセントの変換アダプタは、Cタイプの簡単な構造のものと、USB の出力がついた少し大きめのものを持っていきました。これらのうち、簡単な構造のものは使用しませんでした。
辞書については自分は持っていっていませんが、スマホがあれば調べられますし、英語表記があることも多いので、よっぽど英語に自信が無い場合や、英語表記すらない地域に行く場合以外では必要を感じませんでした。
あって良かったもの
まずは上記のコンセント変換アダプタです。USB 出力が2口できるので、2人分のスマホ充電ができますし、ポケット Wi-Fi の充電もできて便利でした。自分たちの持ち物で充電が必要なものはそれだけだったので、変換後のコンセントはじつは一度も使用していません。
参考:https://www.amazon.co.jp/MOCREO-モクリオ-TC-WT-MOCREO®安全旅行充電器-海外旅行用変換プラグ/dp/B00KXVL65E/(非アフィリエイトリンク)
そしてネックピロー。旅行直前に無印良品のものを購入しました。飛行機内でしか使わないし、しかも空気でふくらませるタイプではないのでかさばるんじゃないかと心配していたのですが、これがあるのと無いのとでは首の負担が大きく違います。たしかにスーツケースの容量はある程度取ってしまいますが、もともとスーツケースが空きがちで、旅行中は割れ物のお土産の緩衝材にすることもでき、困りませんでした。
参考:フィットするネッククッション (新)チャコールグレー・約16.5×67 | 無印良品ネットストア(非アフィリエイトリンク)
ホテルのランクによりけりでしょうが、歯ブラシ・歯磨き粉・シャンプー・リンスなどのアメニティは、いずれかが無いことのほうが多いです。あったとしてもなんか嫌だったり、妙に乾燥したりする場合もあるので、安心できるものを持ち込んだほうが良いでしょう。
イタリアのホテル生活では、我々にとっては室内履きも必要になります。携帯スリッパが大活躍でした。100円ショップのものでも構わないので必ず持参しましょう。長時間フライトの飛行機内で靴を脱いで快適に過ごすためにも使えます(機内でもらえる場合もあります)。
そしてWi-Fiルーター。ホテルにWi-Fiがある場合もありますが、有料だったり、電波が弱かったり、回線が詰まっていたりで使えないこともままあります。緊急の場合に備えて持っておくと良いでしょう。また、これがあれば帰国前日のフライトWebチェックイン(24時間前開始)が、ホテルの外でもできるようになります。
Web での評判が良く早割もあったので、イモトのWi-Fiを選びました。返却時に使用可能日数が2日残っていたそうなのですが、成田での返却時に「その日数分ご返金いたしますね」と、こちらからは何も言っていないのにも関わらず教えてくれたのが、非常に好印象でした。また使うと思います。
エコバッグも便利でした。イタリアのスーパーでは袋は有料です。レジの人が「Bag?」とか「Sacchetto?」とか聞いてくれますが、エコバッグを持参しておけば地味に節約できます。
各種予約票(ホテル・列車など)を印刷したものも、中にはWeb画面やメールを見せれば大丈夫なものもありますが、紙に刷ってあるとスマホのバッテリーを気にする必要がなく、予約の確認時に手渡せばそれで済むので楽でした。
最後にティッシュ。紙が無いトイレが一度だけありました。また、手を拭いたり鼻水をかんだりで、何かと使います。
あったら良かったもの
まずはサングラス。イタリアの太陽は強いのか、自分はまだしも奥さんがまぶしそうにしていました。現地でももちろん買えます。
そしてのど飴。イタリアは非常に乾燥していますし、遺跡からのチリ、排気ガスや歩き煙草の煙などで喉が痛くなります。薬局でちゃんと探せばあるのかもしれませんが、龍角散などの薬物を含まないタイプののど飴が見つけられませんでした(医薬品ぽいやつで代用しました)。イタリア語で「喉が痛いんだけど、薬品が入ってなくて、のどがスッキリするやつないですか?」と言うことができればいいんですが、かさばらないし、日本から持ち込んだほうが無難だと思います。
密閉型のイヤホンも欲しかったです。飛行機内で使用するため、Bluetoothではなく有線のものでなければいけませんが、失念して無線のものを持っていきました。音楽やイタリア語の会話CDを聞いてもいいし、単純に耳栓にしても良いでしょう。
荷物について
最後に荷物について。航空会社とチケットのタイプによって、預け入れ荷物と持ち込み荷物の重量や品目に制限があります。機内や現地到着後ホテルまでの間に使うものは持ち込み荷物に、そうでないものは預け入れにしましょう。
続いては、フライトについて書いていきます。
「玉掛作業は 有資格者で」
工事現場の前を通りがかったときになんとなく中を覗いてみたら、こんな言葉が書かれていた。
「玉掛作業は 有資格者で」
この言葉にちょっとした違和感を覚えた。
意味はわかる
「玉掛作業(たまかけさぎょう)」という言葉については知らなかったが、その下に、クレーンに資材を引っ掛けている作業員のイラストがあったので、それのことだとすぐに理解できた。Wikipedia によると、クレーンへの掛け外し作業のことを「玉掛け」と呼ぶらしい。
イラストと「玉掛作業は 有資格者で」という言葉から、「玉掛作業は、有資格者だけが行うこと」という意味なんだなと理解することはできる。
違和感の理由は何なのか
意味はわかるのに違和感は拭えない。それは「玉掛作業は 有資格者で」という言葉のもともとの姿が見えないからではないだろうか。
工事現場や作業所に書かれている注意文言は、ひと目で理解しやすいように概して短く書かれているものだ。「玉掛作業は 有資格者で」の場合もそうで、全角スペースの部分が改行され、大きなフォントでの記載になっていた。余計な文言が除外されているおかげで、一読してわかりやすくなっている。
では「玉掛作業は 有資格者で」から除外された余計な文言はいったい何なのだろう。
「玉掛作業は 有資格者で(行うこと)」だとしたら
除外されたのが「行うこと」だとしたらどうだろうか。「玉掛作業は有資格者で行うこと」。いささか「有資格者」を道具としてみなしているように聞こえる。もし仮にこれが本来の文言だとしたら、これは現場監督や作業責任者に向けてのみ書かれるのが相応しい。
しかしこの文言は、実際には「安全第一」などと同じ場所に、同じ大きさで記載されていた。その状況だけを見ると、どうも一部の人間だけでなく全体に向けて書かれたものだと思わざるをえない。
「玉掛作業は 有資格者(だけ)で(行うこと)」だとしたら
では、「行うこと」以外に「だけ」が省略されているとしたらどうだろうか。これならば作業者全体が念頭に置くべき事項のように思える。資格のない者にとっては、自分が玉掛け作業を行ってはいけないことが理解できるからだ。
しかしこれでは省略されすぎていて、本来の文を連想しづらいように思える。また、もし仮にもとの文が「玉掛作業は 有資格者(の監督のもと)で(行うこと)」だとしたら、無資格の作業者が気をつけるべきは、自分が作業を行ってしまうことではなく、その際に有資格者がまわりに存在していないことになってしまい、文意が変わってしまう。このような曖昧な省略は必ずしも適切でないだろう。
とはいえ現実にこの曖昧さは問題になっていない。それはおそらく工事現場において玉掛作業時の注意点が周知の事実となっていて、今さら言われるまでもないことだからなのだろうと思う。
より適切な文言があるのか
ここからは、もとの文が「玉掛作業は、有資格者だけが行うこと」という意味の文言であると仮定して、5文字2行の合計10文字の範囲でもっとうまく表現できないかを考えてみたい。要件は以下の通りだ。
- 短いこと(5文字で2行、計10文字以内)
- 一読して文意が伝わること
文言案たち
「有資格者が 玉掛作業を」
一番に思いつくシンプルなタイプはこれだろう。本来の文言である「有資格者が玉掛作業を(行うこと)」も連想しやすい。
ただし「述部が文末に来る」という日本語の性質から、「有資格者が玉掛作業を(行ってはいけない)」でないとも言い切れないし、「有資格者が」のほうが先に来ていることからそちらのほうが目立ってしまい、すこし「玉掛作業」が頭に入って来づらい気がする。
他にも考えてみよう。
「玉掛作業は 資格者のみ」
「有資格者」から「有」をさらに削り、その続きを「のみ」とすることで「有資格者だけが作業を行える」という意味合いを強調してみた。これなら工事初心者(そんな人が現場にいるのかどうかは不明だが)にも、周知の事実となっている事柄が理解しやすいのではないだろうか。
ただしこれもひとつ目の文案と同じように末尾が「〜が行ってはいけない」などではないとは言い切れない(そもそもそんなひねくれた人間に注意文言を考えさせてはいけないけれども)。
もうひとつだけ考えてみよう。
「無資格玉掛 事故のもと」
「無資格玉掛」という言葉を新たに用意したもの。また同時に、「なぜ玉掛作業は有資格者だけに許されているのか」が理解できる文言を追加した。字余りながらも七五調になっていて語呂も良い。
この文言の弱点としては、「無資格玉掛」が造語であることだ。読んで字のごとくであり、本来の言葉に意味を付加したようなトリッキーな造語ではないので、何のことか理解できないようなものではないだろうが、一読して意味が理解できる可能性は下がるだろう。
違和感のない省略は意外と難しい
こうして考えてみると、まったく違和感を覚えないような文案は思いつくことができず、言葉選びが意外に難しい作業だった。あまりすっきりしない結末で申し訳ないが、また何か違和感のある言葉を見つけたらこうして同じように考えてみようと思う。
またここまで読んでくださった方には、「例えばこの言い方はどうか」など思うところがあればぜひ、コメントや現実にて教えていただけますと幸いです。
渋谷 ランチ餃子レビュー
渋谷でランチに食べた餃子を思い出しながら感想を書いていくよ。
ランチで食べた店だけだから、ディナー専門店は当然載ってないよ。
ほぼ焼き餃子しか食べてないので基本的に焼き餃子の話しかしないよ。
最後に、掲載は順不同だよ。
立吉
餃子
種類:焼餃子、水餃子
にんにく:なし
ひとつひとつのサイズはやや大きめ(ご家庭で作るサイズよりやや大きい)。にんにくが入っておらず肉がたっぷりで、6個もあれば普通は満腹になるだろう。セットではライス・キムチ・サラダ・スープがついてきて、先出しされるので、餃子が焼きあがるまでの間はサラダで場をつなぎ、いざ餃子が届いてからはキムチやスープで口直しが出来、ランチにストーリーを作りやすい。それでいて、セットの価格は800円程度とリーズナブルなのも嬉しい。
店内
店内はやや狭く、一部が明治通り側に張り出しているような形になっている。ランチの時間帯は非常に混雑し、並んでいる人がいることも珍しくない。そしてそれを店員さんの側も承知しており、接客にも反映されているため、気分は悪くなりにくい。もしも4人以上で来店する場合は近隣の別案を考慮しておきたいところだが、この界隈には他に餃子店が無い。逆に個人客の回転は早いので、一人でスッと行ってスッと食べて帰る、というスタイルには向いている。
むし焼包餃子
餃子
種類:肉餃子、野菜餃子、ミックス餃子
にんにく:なし
ひとつのサイズはふつう(ご家庭で作るサイズ)程度。メニューに肉餃子と野菜餃子が存在し、それぞれ一個から注文出来るのが嬉しい。しかし、肉餃子の餡は本気でほぼ肉であり、野菜餃子もほぼ野菜で構成されているため、食べているとどうしてもいい具合に混ざったやつが恋しくなってしまう。そんな時のためにミックス餃子というメニューもあるが、これは一個からの注文は出来ず(たしか)、皮の種類も他の2種と異なり、餡の中の肉や野菜も何かが違っているようで、さながら謎の外国人助っ人選手といった様相を呈している。立吉同様、こちらもがっつり食べても800円程度と大変リーズナブルなのが嬉しい。
店内
やや広め。カウンターの他にテーブル席も3卓あり、4人で来店してもそこまで待たされることは少ないはず。1人で行って並ぶこともあまり無い。店員さんの接客も丁寧。
渋谷餃子
餃子
種類:焼餃子、水餃子、揚餃子
にんにく:選べる(ニラの有無も選べる)
ひとつひとつはやや小さめ。しかしその分味付けは濃いめで、にんにく・ニラありにした場合はだいぶ濃厚な味わいになる。餡は量自体が多くはないが、肉・野菜の比率に偏りもまた少ない。注文単位は6個1皿ごとで、3皿食べれば満たされるといったところ。価格も1皿300円を切り、900円あれば十分となっている。また渋谷ランチで唯一揚げ餃子が食べられるのも良い。マヨネーズも付いてくるよ。
店内
広め。まず並ぶことはない。接客は丁寧でもなく荒すぎでもなく、一般的なラーメン屋ぐらいといった感じ。食後に爽やか吐息のタブレットをくれる。
餃子の王将 ハチ公前口店
餃子
種類:焼餃子
にんにく:あり
言わずと知れた王将の餃子。ひとつひとつのサイズは大きめ。コスパも悪くない。3皿(18個)で十分だろう。余談だが、学生時代に部活動の仲間20人ぐらいで餃子の王将に行き、1人平均5皿(30個)ほど食した結果、店の餃子在庫を枯渇させたことがある。「次からは予約をお願いします」と言われたが、後日また予約せずに行った(そしてまた枯渇させた)。
店内
やや広い。しかし、それ以上に客が多い。1人で行くと相席になることもしばしば。店内もあまり綺麗とは言いがたいので、個人的には足が遠のいている。
タイガー餃子 宇田川町店
餃子
種類:ぷっくり餃子、グラタンチーズ餃子、青葉水餃子、ベジタリアン餃子 ※すべて定食とセットで、単品はない
にんにく:なし
ぷっくり餃子しか食べていないが、おそらくこれが一番ふつうの焼餃子に近いものだと思われる。ひとつのサイズはやや大きい。餡には肉・野菜の他に春雨が入っており、にんにくも入っていないので、大きさの割にあっさりとした食感が楽しめる。しかしボリュームはしっかりとあるので、定食では並(6個)または大(8個)を選ぶことが出来るが、並を選んでおけば十分満足出来るだろう。お値段は並が880円、大が1000円。
店内
広い。そして綺麗。かつ接客が丁寧。駅から遠いのが難点か。Bunkamura に近いので、客層にはお金持ちマダムも多い。
まとめ
渋谷周辺には、ラーメン店に比べると餃子店が非常に少ない。ただでさえ少ないところから、ランチ営業をしている店舗を抜き出すと5店舗しか存在しない(もちろん、ラーメンの副菜として餃子を扱っている店舗は他にあるが)。
(※2016年12月4日追記 ここから)
5店舗のみと言っていたが、実際には以下の店舗を含めて7店舗存在していた。
個人的には駅前店よりも美味しく感じた。
大阪王将にもそのうち伺いたい。
(追記ここまで)
お昼時の混雑具合では、立吉 = 王将 > むし焼包餃子 > タイガー餃子会館 = 渋谷餃子 の順で混んでいる。
またシーン別に分けるなら、以下のとおり。
普通のご家庭で食べるような餃子が食べたいなら、むし焼包餃子がおすすめだ。
にんにくの効いた味がご所望なら、渋谷餃子へ行こう。
赤ワインに合うような肉々しさが欲しければ、立吉へ。
それらとは一風変わった創作餃子が食べたければ、タイガー餃子へ行こう。
王将はチェーン店なので、いつでもどこでも食べられる。
願わくば、渋谷に餃子店の増えんことを。
餃子は健康食品
ポニーで通勤する話
この記事は、ペットは思いつきで飼ってはいけない Advent Calendar の54日目です。
通勤途中にポニーがいる生活
こちらの記事でも書きましたけど、引っ越したんですよ。
で、それからというもの、自宅〜明治神宮〜渋谷駅 というルートで歩いて出勤しているのですが、明治神宮の西門の手前には、渋谷区立代々木ポニー公園という公園がありまして。
ここの前を通りかかると、3日に2回くらいの確率で、ポニーに会うことが出来ます。
ポニーくん*1
で、そんなポニーを見て思ったんですけどもね。
ポニーで通勤出来ないものか
通勤途中でポニーに会えるなら、ポニーで通勤したっていいじゃないですか。
別におかしなことを言ってるつもりはなくて、例えばこれが犬の散歩に遭遇するんだとしたら「自分も犬の散歩をして犬同士をわちゃわちゃさせたい〜〜〜〜」と思うのは自然だと思うのです。
いや確かに犬では通勤はしませんが、ではこれが例えば自転車だったとしたら、自転車通勤の人を見かけた時に「自分もしてみようかな?」と思うのはこれまた自然だと思うのです。
じゃあハイもう次行きますよ。
ポニーを飼育するための許可
そもそもポニーって飼っても良いんでしょうか。
大型のペットを飼育するためには、自治体によっては許可が必要な場合があるそうです。
では渋谷区はどうなのかというと、
こちらの区役所のページを見てみたところ、どれも犬または猫のものばかりで、ポニーという項目はありませんでした。
唯一関係がありそうな 渋谷区/人に迷惑をかけない飼い方を のページも、記載は犬に関するもので、ポニーについては触れられていません。不思議なこともあるものですね。
渋谷区ではいったん届け出は不要と解釈して次に行きます。
ポニーを飼育するための設備
ポニーを飼育する環境については、こちらのサイトが詳しいです。
ワールドランチホースクラブ|ミニチュアホース・ポニーの飼育について
ここから要約すると、
- 約1.5m×1.8mくらいの場所
- 暖かい過ごしやすい場所
- 風通しも良くする
- 床がコンクリまたは板張りである
- 床にワラやおがくずを敷いてやる
- 散歩できること
上記の条件を満たす部屋として、我が家には LDK があります。
※「10.0畳」と書いてある部屋
ここなら床はフローリングですし、糞などもルーフバルコニーに流すよう掃除すれば良いのでお掃除もらくらく、エアコンで室温調整も出来ますし、窓があるので風通しが良いですし、ワラを敷いてやれば何の問題もありません。
散歩については毎日の通勤で代替出来ると考えて次に行きます。
ポニーにかかる費用
こちらの知恵袋への回答を参考にしました。
要約しますと、
- 蹄鉄:15000円以上、1〜2ヶ月に1回
- 餌:約2万円
- 伝染病(馬インフルエンザなど)予防ワクチン:馬の場合1万円
- 伝染病検査:馬の場合1回1万円、年数回
- 獣医師の診察費:不明
月に少なくとも3万円以上はかかりそうです。
ポニー自体のほうは、残念ながら値段はわかりませんでしたが、30万円では厳しいと言及されていることからなんとなく察するものがありますね。
これらの知恵袋への回答に共通して「思いつきで飼うな」と書かれているのが非常に躊躇わせるものがありますが次に行きます。
ポニー通勤で入るべき保険
ポニーで通勤している時、もし事故を起こしてしまったら大変ですね。
自転車でも保険に加入する時代ですし、ポニーで入らないわけにはいきません。
しかし「ポニー 保険」で検索してみたところ、ポニー乗り向けの保険商品は未だ世の中に無いようでした。
ですので汎用的な、自賠責保険に入るのが良いでしょう。
自転車の場合の賠償額がおよそ5000万ほどまでですので、補償額上限が1億円に設定されている保険*2に加入するのが安心でしょう。
ポニーに装着すべき装備
ポニー通勤に必要そうなもの
- 鞍、手綱などの馬具
- 糞回収用スコップ・袋
さらに、通勤にポニーを使うのであれば夜間や雨の日にも乗ることを考慮しなければいけません。
夜のポニーに必要そうなもの
- ライト
- 反射板
このようなLEDバンドを装着すると安心ですね。
自分にですよ。
雨のポニーに必要そうなもの
- 自分用カッパ
- ポニー用カッパ
革用の撥水スプレーも一瞬考えないでもなかったですが、可哀想過ぎるので考えなかったことにしました。
ポニーに公道を走らせて良いのか
調べてみたところ、馬は道路交通法上では軽車両に該当するそうです。
十一 軽車両 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいう。
この「牛馬を含む」に、ポニーも含まれるのでしょう。
法規内にあるものなので、ポニーもまた公道で走らせて問題ないはずです。
また自転車と同じ軽車両扱いなので、免許も不要です。
制限速度についても自転車と同じで、標識などで表示されている速度が上限になっており、標識などがない道路の場合は無制限に速度を出すことが出来ます。
ただし、
こちらの記事の通り、たとえ自分が飲酒していなくとも、飲酒したポニーに乗ってしまうと整備不良にあたる可能性があるそうなので、ポニーが誤って道端に落ちているビールを口にしないよう注意したいですね。
そして残るハードル
でここまで考えてきたわけですけど、ハードルはまだまだあります。
- ポニーは平均30年生きる。30年間何があろうと育て続けなければならない。
- ポニーを安全に、迷惑にならずつないでおける場所が職場周辺にない。
- ポニーに乗る人の体重制限は50kg程度。僕は65kgなので、少なくとも15kg痩せる必要があります。
- LDK にポニーがいると普段かなり邪魔。
これがクリア出来るまで、おとなしく徒歩通勤を続けようと思います。