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退職エントリ

退職エントリなどを書きます

Reflection{Naked}

今日は Mr.Children の Reflection を聞いた感想を書きます。

www.amazon.co.jp

でも安心してください。

ちゃんと Mr.Children の曲を全く聞いたことがない人にもわかるように書きます。

 

 

Mr.Children と日本と僕

ただ本題の前に面倒くさい話もします

Mr.Children は今から24年前の1992年に Everything というアルバムでデビューしました。

その頃から一時活動を休止する1997年までを年表にしてみました。

 

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デビュー当時7歳だった僕は、SDガンダムとバーコードバトラーに夢中だったので、その存在を知りませんでした。

 

その後、この表の「4thアルバム Atomic Heart リリース」にあたる1994年頃に、いとこのお兄ちゃんが持っていたカセットテープウォークマンで聞いた「Tomorrow never knows」との出会いが、僕の初めての Mr.Children でした。

誰が歌ってるのか知らんけど良い曲だ」と思った僕は、いとこのお兄ちゃんにカセットをダビングしてもらい、「Mr.Children」という名前を教えてもらい、それからウォークマンをどうにか手に入れて、とはいえ中学生でお小遣いが限られていたので過去のアルバムは買えずに、ほとんどずっと「Tomorrow never knows」を聞いていました。

 

その後発売された、Tomorrow never knows」が収録されているアルバム「BOLERO」をいとこのお兄ちゃんにダビングしてもらってからは、「Tomorrow never knows」以外にも「Everything (It's you)」「【es】 〜Theme of es〜」「シーソーゲーム」を聞くようになりました。

ちょうど中学2年生というひねくれ始める時期だったため、ときには「Tomorrow never knows はにわか向けの曲。Brandnew my lover を聞くのがツウ」などと思っていたこともありました。

どちらも「BOLERO」の曲で、そこから1ミリも脱却出来ていない中途半端な感じがいかにも中二病って感じですね。

 

それからほどなくして、Mr.Children は活動休止期間に入りましたが、僕にとっての Mr.Children はほとんど「BOLERO」だけだったのであまりよくわかりませんでした。

 

 

さて97年にいったん活動休止期間に入った Mr.Children ですが、再来年の99年には活動を再開しました。

活動再開から僕が大学を出るまでの表がこちらです。

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※日本の出来事は途中までちゃんと選んでいたのですが、飽きたので僕が当時見ていたアニメを書いてみました。そして「パネキット」はぜひ遊んでもらいたい傑作です。

 

「Q」が出る2000年頃までの間に、ウォークマンはカセットテープからCD、そしてMDに変わりまして、僕も CD ウォークマン*1や MD ウォークマンミスチルを聞いていました。

そして同時に「BOLERO」だけだった僕にとっての Mr.Children 環境は豊かになりました。

 

まず出会う前のアルバム「EVERYTHING」「Kind of LOVE」「Versus」「Atomic Heart」、そして「深海」をダビングしてもらったりレンタルしてもらったりで手に入れました*2

中3の頃に出た「DISCOVERY」も、発売されてからしばらくしてレンタルで録音しました。

ライブアルバムの「1/42」は父親がサプライズで買い与えてくれて、「Q」はレンタルしました。

 

思えば、この頃に初めてアルバムの枠を跨いで色んな曲を曲単位で並び替えたりして聞くことをやっていたように思います。

そしてその逆に、アルバムごとに比較して聞いてみたり、いろいろと自分なりの模索をはじめたのがこの時期です。

そんな2001年に、ベストアルバム「1992-1995」「1996-2000」が出ました。

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※ 肉と骨

この影響で、「自分にとってのベスト盤はどの曲が入るか」と考えるようなりました。

 

そして大学入学後2年目までの間に、「IT'S A WONDERFUL WORLD」「シフクノオト」がリリースされました。

この頃は家を出て仕送りをしてもらっていたことや、自分でアルバイトしていたこともあり、中高時代に比べると金銭的な余裕はあったので、2枚とも購入しました。

 

しかし中高時代のようにワクワクしていたかと問われるとそうでもなく、大学で出来た新しい知人からの「好きなアーティストは?」という質問に「ミスチル」と答えていたことや、心からミスチルが好きだと思っていた過去の自分なんかを裏切れないことからくる惰性で、なんとなく買い続けていました。

2枚とも、買って数回聞いて録音したら、あとは飾ったままで、聞いてもたまになんとなくBGM代わりに、という状態でした。

「まあミスチルミスチルだなあ」ぐらいに思っていました。

 

それから大学3年目になり、世間へ出ていくことへの漠然とした不安、本当にやりたいことを探してこなかったことへの後悔、不安定な家庭の事情や裏切り、投げやりな交友関係への自己嫌悪、などなどで、いわゆる精神的に不安定な時期がありました。

そんな時「I ♥ YOU」が出ました。

いつものように購入して、聞きました。

それから、焦って「シフクノオト」と「IT'S A WONDERFUL WORLD」も引っ張り出してきて聞き直しました。

 

それから色々ありましたが、この頃のグチャグチャだった自分を乗り越えて今の自分があるのは、この3枚のおかげでもあります。

 

 

さて青春時代の話だったのでついつい長くなりましたが、それから現在までの表がこちらです。

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ここからはコンスタントにどれも聞き続けています。

「HOME」SUPERMARKET FANTASYも買いましたし聞いています。

ただ「SUPERMARKET FANTASY」を買って以後、「SENSE」「[(an imitation) blood orange]」は購入していません(※理由は後述します)。

 

 

まとめると

僕は、

 

  • 94年にTomorrow never knows」から入って、
  • アルバム「BOLERO」を何度も聞いて、
  • 過去のアルバムに遡り、
  • それから2008年までは聴き続けて、
  • しかしそこからはずっと新しい Mr.Children を素通りし、
  • 今回約8年ぶりの2016年にアルバム「REFLECTION」を買った人間

 

です。

 

僕は過去に一度も Mr.Children のライブに行ったことがありません*3

それ以外の、街頭に流れている曲とか、テレビとかウォークマンとか iPod からのみ、Mr.Children に接してきました。

 

そんな自分が「REFLECTION」を聞いた感想を書きます。

 

 

 

アルバムごとに Mr.Children の曲を分類する

でもその前にもうちょっと Mr.Children の話をします。

「いい加減詳しくない人にもわかる話をしろ」と言われそうなので、ここからはちゃんとわかる話をします。

REFLECTION の感想をおわかりいただくためにも、ミスチルの曲が時代ごとにどう変わってきたのかを、アルバム単位でお話していきます。

 

おそらく Mr.Children の大ファンを自負する人にとっては「光と闇と宇宙?そんなもん知っとるわ」みたいな話ばかりだと思うので、その場合はごめんなさい。

 

 

 

デビューから 3rdアルバムまで

1st:EVERYTHING

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このアルバムはデビューアルバムだけあって比較的明るい曲調で、「ミスチルとはこういうバンドなんだぜー」と自己紹介するような曲で占められているのが特徴です。

 

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※ 今更ですがこの記事は表を多用する記事です。

 

「ロード・アイ・ミス・ユー」「Mr.Shining Moon」「君がいた夏」「ためいきの日曜日」「友達のままで」と、全7曲中5曲が恋愛の歌です。

あとの「風 〜The wind knows how I feel〜」「CHILDREN'S WORLD」はどちらも爽やかな曲調で、少年の気持ちになれる歌詞の歌です。

アルバム全体として、少年の心を忘れない青年である Mr.Children のメンバー(当時22〜23歳)が、秘密基地で遊んだりして毎日を過ごし、時には甘酸っぱい恋愛を経験してきた、そんなイメージを持たせてくれます。

 

「恋や愛」と「爽やか少年」が EVERYTHING の頃のミスチルです。

 

 

 

2nd:Kind of Love

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2枚目のこのアルバムでも、1枚目の頃とあまりテイストは変わっていません。

 

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※ ちなみに太字は僕がこのアルバムの中で一番好きな曲です。

 

タイトルの「Kind of Love(=いろんな愛情)」らしく、じつに11曲中8曲が「恋や愛」をテーマにしています。

あとの3曲のうちの、「ティーンエイジ・ドリーム」と「星になれたら」の2曲にも、歌詞に恋をほのめかす内容が描かれていて全体的にラブラブしています。

 

Kind of Love もまた「恋や愛」と「爽やか少年」と言えるでしょう

 

 

 
3rd:Versus

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ここから少し様子が変わってきます。

 

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※ 「逃亡者」は桜井和寿が作詞作曲に関わっていないので話から除外しています。

 

一見 Kind of Love と同様、「恋や愛」の歌ばかりのアルバムに見えるのですが、「恋や愛」と言っても、その内容これまでとは違うのです。

  • Another Mind → 許されない関係
  • メインストリートに行こう → 週末だけの関係
  • and I close to you → 略奪愛
  • Reply → よりを戻した二人
  • マーマレード・キッス → 過去の男の影がちらつく女性
  • LOVE → 他の男の彼女(しかも主人公にも彼女がいる)
  • さよならは夢の中へ → 恋の終わり
  • my life → 失恋

これまでの恋や愛の歌は、主に「二人だけの世界」を描いたものでした。

しかし Versus (=対する、競う、比べる)においては、そのタイトル通り、他の男に関する描写や、主人公が他人と比べられているような描写が出てきます。

アルバム最後の9・10曲目は恋愛の終わりを歌っていて、ふたつの「終わり」を重ねて印象づけているように思えます。

 

また「蜃気楼」においては唯一、「恋や愛」ではなく、これまでになかったテーマを歌っています。

それは、自分と自分を取り巻く環境です。

テーマとしては、自分について歌ったものとして「爽やか少年」に近いのですが、この曲には爽やかはまったくありません。

煙草の煙で充満した、陽の差し込まない暗い部屋で、ウイスキーボトルの並んだテーブルの横のソファに寝転がった男が投げやりな目でぼんやりニュースを見ているような雰囲気です。

EVERYTHING から通して聞いていると、「これまでの桜井和寿はどこへ行ってしまったのか?」という戸惑いを覚えずにはいられません。

いったんこの自分というテーマだけを「僕」と名付けて、次のアルバムに進みましょう。

 

 

 

4th アルバムから活動休止まで

4th:Atomic Heart

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ここで、「蜃気楼」を歌っていた存在の正体がわかります。

それは「闇の桜井和寿」です。

 

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※ 都合上 インストゥルメンタルは除外しています。

 

「闇の桜井和寿」は皮肉めいたいわゆる悪魔のような存在で、斜に構えたひねくれた目線でテーマについて歌います。

「キレイ事並べたって、人間ってのは所詮汚い動物なんだよ」が、闇の桜井和寿の主張です。

この Atomic Heart では、そんな闇の桜井和寿に対して、光の桜井和寿が「違うさ。人間はかくも美しいものなんだ」と言い返す、というような構図が出来ています。

 

例えば、闇の桜井和寿が「ラヴ コネクション」で乱れた性について歌えば、光の桜井和寿が「CROSSROAD」で愛しい人の美しい記憶について歌う。

「Dance Dance Dance」で飽和した乾燥した世の中について歌えば、光の桜井和寿が「雨のち晴れ」でそれでもなんだかんだ楽しくて捨てたもんじゃないぞと歌う。

前アルバムで闇の桜井和寿が歌い、登場したテーマ「僕」についても、光の桜井和寿は「innocent world」で反論しています。

「僕はこのままで 微かな光を胸に 明日も進んで行くつもりだよ いいだろう? Mr.myself」と歌っていますが、この「My.myself」とは闇の桜井和寿のことを指しているに違いありません。

 

さて、勢いで書いてしまいましたが、Atomic Heart では新しく「世の中」というテーマが登場します。

闇の桜井和寿が「世の中こんなに汚くて醜いけど、このままで良いのかよ?ニンゲンたちよ」と歌っているものがそれです。

 

このように、光の桜井和寿と闇の桜井和寿の戦いが始まるのが Atomic Heart です。

 

 

 

ところで、先ほどの表では「ジェラシー」だけが、光でも闇でもなく空欄になっていますね。

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これには理由があって、表を右に拡張すると、

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宇宙の桜井和寿がいるからです。

宇宙の桜井和寿はすべてを超越した存在なので次に進みます。

 

 

 

5th:深海

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深海は僕が一番好きなアルバムです。

冒頭がインストゥルメンタル(歌詞がない曲のみのTrack)の「Dive」で始まり、続いての「シーラカンス」、そして「手紙」への繋がりが、どこで曲が変わったのかわからないぐらい連続していて綺麗で、つい聴き始めてしまうと冒頭3曲は必ず飛ばせなくなります

 

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※ 深海でも光の桜井和寿と闇の桜井和寿の戦いは続いています。

 

まず闇の桜井和寿が、「僕」をテーマに、光の桜井和寿を相手にではなくなぜかシーラカンスに対して呼びかけます

 

その後「手紙」で光の桜井和寿が過去の美しい愛の記憶を歌い、「ありふれた Love Story」で闇の桜井和寿が現実的な恋愛について歌い対抗し、光の「Mirror」闇の「名もなき詩」光の「ゆりかごのある丘から」闇の「虜」と、恋や愛は激戦区です。

 

一方で、「世の中」のテーマに関しては闇の桜井和寿の一人勝ち状態

「世間は汚くて醜いもの」と、光の桜井和寿も心の何処かで認めてしまっているのでしょう。

 

そんな「世の中」に対して、光の桜井和寿は得意テーマの「僕」で反撃しています。

まず「花 -Mémento-Mori-」。

一見して世の無情を嘆いているようですがこれはフェイクで、「それでも強く生きていこう」という強く揺るぎない決意を歌っています。

「深海」も一見すると闇の桜井和寿が歌っているようですが、じつは光の桜井和寿が、闇の桜井和寿の呼びかけたシーラカンスの進んでいく進化の道へ、「連れてってくれ」「連れ戻してくれ」と呼びかけている歌です。

 

闇の桜井和寿と光の桜井和寿それぞれの得意とするテーマ、そして激戦区となるテーマが明確になるのがこの深海です。

じつは僕がこのアルバムを好きな理由も、深海では光と闇の戦いが色濃く表れているからなのです。

 

 

 

6th:BOLERO

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はい、BOLERO です。

先にお話ししたとおり、僕が最初に聞いたアルバムですね。

 

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この BOLERO に収録されている「Tomorrow never knows」「everybody goes -秩序のない現代にドロップキック-」「【es】 〜Theme of es〜」「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」の4曲は、いずれも深海発売前に発表されたシングルで、オリコン週間1位を獲得した曲です。

しかしその後に出たアルバム深海には収録されませんでした。

当時は「Tomorrow never knows」が入らなかったことが不思議でしたが、今思えば深海の中に入れるにはどれも明るすぎるように思えます。

「【es】 〜Theme of es〜」がまあギリギリ入らんこともないか?と思えますが、これも迷いを振り切っちゃった歌なので、シーラカンスの力を借りなくても自力で泳いで陸地に辿り着けそうなんですよね。

 

そんな BOLERO でも、見ての通り『闇の桜井和寿 vs 光の桜井和寿』の争いは続いています。

 

ただ1曲、「シーソーゲーム 〜勇敢な恋の歌〜」だけは違います。

この曲だけは、光と闇の桜井和寿が協力して恋愛について歌っています

歌詞を見ていると、「光の桜井和寿が闇の桜井和寿の主張に歩み寄っている」ようにも思えますが、実際は「そう見せかけることで闇の桜井和寿を制御出来ることに気付いた」のではないかと思います。

闇の桜井和寿の、「人間の恋愛は醜くて汚いもんじゃよ」という主張を一面で認めつつも、「それでもいいんじゃーい!!醜いのとは違うもんね!!!人類は愛しいもんねー!!!!!」と転化したのがシーソーゲームです。

僕はシーソーゲームを聞いて「あ、ミスチルってこういうパターンのラブソングも歌えるんだなあ」と思いました。

 

そしてその「曖昧さを認め、かつ愛する」手法の成果の集大成が「Tomorrow never knowsと言えるでしょう。

 

光の桜井和寿はこの曲の中で、闇の桜井和寿がじつは心の中で泣いていることに気付きます。

そして、「お前は醜い人間の一面を見てそんなにも悲しかったのか。汚い衆生を見てそんなにもつらかったのか」と、慰めています。

続けて「果てしない闇の向こうに手を伸ばそう」と呼びかけます。

さらに、「その悲しみやつらさを抱えたまま、一緒に進もう」と手を差し伸べています。

 

そしてその時この曲を聴いている人間は、光の桜井和寿が手を差し伸べている"闇の桜井和寿という存在"は、聴いている自分自身にほかならないということを知るのです。

光の桜井和寿とともに「果てしない闇の向こうに」手を伸ばし、光の桜井和寿によって「誰も知る事のない明日へ」と導かれているのは、闇の桜井和寿であり自分自身だったのです。

あーなんか書いててちょっと泣けてきた。

 

 

こうして、BOLERO で光の桜井和寿は、闇の桜井和寿を制御することが出来るようになったのでした。

 

 

 

(後編につづく)

 

この記事は、あくまで個人の感想です Advent Calendar *4の62日目です。

 

*1:今思えばよくあんなの持ち歩いたなと思います

*2:1枚3000円のアルバムって中高生にはなかなか買えないんですってば

*3:Mr.Children大ファンの人には必ず「なんで?」と聞かれますが、理由は「一人で聞きたいから」です。

*4:人それぞれ解釈があると思います