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イタリア旅行 - 街の感想(カゼルタ・ナポリ・フィレンツェ編)

イタリア旅行で訪れた街の感想について書きます。

 

 

行った街と全体的な感想

下の記事にも書きましたが、カゼルタ・ナポリフィレンツェ・ミラノ・ヴェネツィア・ローマに滞在しました。ヴェネツィアは日帰りしたので滞在と呼べるかどうかわかりませんが、少なくとも足は運びました。

mizunokura.hatenablog.com

 

イタリアは北・中央・南に分けられますが、北が都会で、南に行くほど田舎になる印象を受けました。北にある都市から順に日本で例えるとすれば、北イタリアが関東、南イタリアが近畿で、その間に都市が分布している感じです。

ナポリからさらに南には行っていないのでわかりませんが、これでいくと、きっと広島や九州っぽい感じなのかもしれないなと思っています。

 

カゼルタについて

ナポリから列車でおよそ40分の位置にある都市で、ナポリ王国の宮殿であるカゼルタ宮殿や、イタリアで二番目に大きい闘技場跡や、旧市街であるカゼルタヴェッキアなどがあります。

地図ではこのあたり

 

街の雰囲気

南イタリアの気質なのかもしれませんが、だいたいの人がおせっかい焼きで優しく、純粋で、心の距離が近く感じました。

チケットを買わずに遺跡に入っていこうとすると、わざわざ売店から走って出てきて「先にチケット買わなきゃダメだよ!」と言ってくれるし(その人が注意しなくても、その先でチケットを確認されるのですが、距離があり手間になる)、カゼルタ宮殿前の広場でぼんやりしていると「ここは入り口じゃないよ。入り口はあっち」とおじさんがぶっきらぼうに教えてくれるし、ピザ屋(Pizzeria)で一度座った席が騒がしかったので、店員さんに席を移っていいか聞くと、ナポリ弁で冗談交じりに「自分が好きで座った席だろ!?」と言われるし(カゼルタ出身の友達が聞いたからだと思います。席も普通に移動できました)、通りでおばあさんに「ニイハオ」と話しかけられるし…。語り尽くせませんが、すごくたくさんの人に話しかけられました。

地方都市らしく駅前が多少寂れてはいますが、中心部は賑やかで、オシャレなBARやピザ屋、ブランドショップなども多くあり、平日の昼間でも広場のカフェ(BAR)に人が溢れているなど、活気があります。近年若者が多く集まるようになっているらしく、夜の賑わいもなかなかのものでした。ワインバーは若者だらけでしたし、土曜日の夜なんかはホテルの外でデモでも起きているのではないかと思うぐらいの騒がしさでした。

見どころ

カゼルタ宮殿:18世紀に世界で建設されたうちで最大の宮殿であり、世界遺産ナポリ王国の宮殿として1752年に建設が始められ、1780年に完成しましたが、その後1799年にナポリ王国はナポレオンによって占領されてしまいました。ヴェルサイユ宮殿に影響を受けており、とくに公園はヴェルサイユ宮殿以上の評価を得ているそうです。映画のロケ地として使われることも多く、『スターウォーズ』ではアミダラ女王の居城として登場し、『アマルフィ』や『MI:3』『天使と悪魔』にも使用されました。

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大階段

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宮殿前広場

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ディアナとアクタイオン像

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英国風の植物園

カゼルタ宮殿は公園・内部ともにとても広大で、一日ですべて見て回るのは難しいぐらいに展示物がたくさん置かれていました。また18世紀の物品以外にも、2016年までイタリア軍が使用していた空間を利用して、現在は近代美術の展示(アンディー・ウォーホルやキース・ヘリングなどの作品展示)が行われています。

 

カプアの闘技場跡あのスパルタクスらが戦った闘技場跡。イタリアで二番目に大きな闘技場跡で、近くにはあのアッピア街道も通っています。つまりここで反乱の声を挙げたスパルタクスが、敗北後に磔にされたのもまたここということです。それだけで自分は大興奮でした。

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闘技場跡

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闘技場地下

 

カゼルタヴェッキア:カゼルタの旧中心街。古い町並みが現在にも残っていて、カゼルタ城やドゥオーモなどがあります。自分たちは夜に行ったので、カゼルタ城の全景を捉えることはできませんでしたが、美しい夜景が見られました。

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ナポリ方面を見た夜景

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ドゥオーモの一部

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古い街並み

 

宿泊施設

カゼルタ宮殿のほぼ真横に位置する、Cas'E charming house に宿泊しました。

www.booking.com

Booking.com でのレビュースコアが9.8(上限は10)もあり、かなり期待して訪れましたが、期待通りというよりは期待以上の場所でした。

スタッフが非常にフレンドリーでホスピタリティに溢れ、部屋の設備は完璧とは言わないまでも細かな心配りが効いていて、アメニティは豊富に用意されており、かつ清掃が行き届いており、朝食も気持ちよく食べることができましたし、カゼルタは宿泊税もかかりません。何の文句もありません。自分にとっては文句なしの10点満点です。手放しでおすすめできます。

21時以降にスタッフがいなくなるので、深夜にチェックインがしたい人には不都合があるかもしれません。また、バスタブが無いことが気になる人もいるでしょう(イタリアではバスタブがあるほうが珍しいように感じましたが)。それから日本語は一切通じません。

自分はここに宿泊したおかげもあって、カゼルタが好きになりました。ここに泊まってもっとイタリアを知るために、いつか再訪したいと思っています。できればいつまでも滞在したいなあ。

 

ナポリについて

ローマからフレッチェで1時間20分。古代ギリシアの植民市「ネアポリス」に端を発する、イタリア第3の都市(ローマ、ミラノに次ぐ)。街中に突然ローマ時代の石材を利用した建築物(現在は違法行為)が現れたり、とても活気のある商店街があったり、移民の多い場所であったりと、とても渾沌としている。

このあたり。南イタリア最大の都市。

街の雰囲気

とても大阪っぽい場所。とても人口が多く、かつ人と人との距離は近く、物価は安めで(ミラノの三分の二か半分ぐらい)、マフィアがいて、すごく活気があって、治安も悪めと、とても大阪っぽい場所(二回目)でした。

ミラノ中央駅から市街地へ向かう道では両側に商店や露店や詐欺師(ギャンブル詐欺)が取り囲み、商店のすぐそばにもイタリア人の友達曰く「あの人は一度刑務所に入った人だと思う」(入れ墨でわかるそう)というような人がたむろしていたり、活気と危険が相混ざっています。

ハプニングや知らない物事に触れられてとても楽しめる街だと思いますが、その一方でふと犯罪に巻き込まれる可能性もあるような印象を受けました。防犯に気をつけつつ、しかしながら萎縮しすぎずに街を楽しむのがちょうど良いと思います。

見どころ

ナポリは古い街だけあって、いたるところに古代ローマ時代の遺物や中世の教会建築、地下遺跡などが点在しています。そうでなくても、現代に暮らすナポリの人たちが作るたくさんのイベントや見世物、路上の大学(卒業してきました)などがあり、1日ではとても見きれません。

卵城ローマ帝国時代に建設された別荘が、11世紀以降に要塞化された建物です。なぜ卵かというと、この城のどこかに卵が埋められており、「その卵が割れる時、ナポリもまた滅びるだろう」という伝説が残っているからなのだそう。奥さんが「卵を見つけて目玉焼きにする!」と息巻いていました(かわいい)。

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卵城

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対岸の街並みとナポリ湾、およびヴェスヴィオ

ここからの夜景は本当に美しく、「ナポリを見て死ね」という言葉に納得でした。

 

ヌオヴォ城:Nuovo(ヌオヴォ)は「新しい」という意味。中までは見ませんでしたが、城門に砲弾の跡が今も生々しく残っています(外観の写真を撮り忘れました)。

 

ナポリ王宮:17世紀に建設された宮殿。ナポリ王国の宮殿で、このあと18世紀後半にカゼルタ宮殿が作られたのでしたが、まもなくナポリ王国は滅びてしまいました(こちらも写真を撮り忘れ…)。

 

古代ローマ時代の遺物を(勝手に)使った建物:観光資源ではなく個人宅ですが、かつて古代ローマ時代の建物に使われていた廃材を、勝手に拾ってきて使った建物が今も使われています。現代では違法行為ですが、かつては遺跡があまり重要視されていなかったので、セーフだったのだとか。

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街角で急に現れます

 

宿泊施設

ナポリにはカゼルタから行ったので、宿泊はしていません。

 

フィレンツェについて

言わずと知れたメディチ家のお膝元。市街中心部全体が世界遺産に指定されている古都です。冒頭にも書きましたが、どことなく京都っぽいなと思いました。

このあたり。北イタリアです。

街の雰囲気

良くも悪くも京都。観光地ですから、ビジネスライクな人当たりはとても良かったです。古い街であることのプライドも高く、住民もそれを誇りに感じていることが強く感じられました。ナポリやカゼルタほど人情が感じられず、それでいておせっかいすぎず、観光客には滞在を楽しんでほしい!(でも住むのは覚悟してからにしろ)という感じの場所です。

街は全体が世界遺産に指定されているだけあって古く、道はどこも狭めで、建物からの細かなチリが空気の乾燥に拍車を駆けています。こう言うと微妙な感じがしますが、街の景色やミケランジェロ広場などから眺める風景は最高でした。川辺は開けていますし、開放感もあります。

見どころ

フィレンツェはとにかく見どころが多すぎます。どこを見ても遺産・遺産・博物館・美術館・遺産の連続。2日間滞在しましたが、すべて見て回るには全然足りません。体感ですが、1週間でも頑張ってギリギリ回れるか回れないか、ぐらいなのではないでしょうか。

アカデミア美術館ミケランジェロダビデ像がある美術館です。入場には長い列が作られますが、予約をすることでスキップすることができます(自分はたしか30分ほど並びました)。並んでいるあいだに奥さんがいらない紙で鶴を折ったところ、前に並んでいた若い女の子が目を丸くしながら「Bello…! =きれい・すごい」と呟いていて、「まだ折り紙で喜んでくれる外国人はたくさんいるんだ」と感動しました。

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折り鶴

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Love, vice and wisdom

そのほかにもたくさんの彫刻・絵画が展示されています。ダビデ像は自分で見たほうがいいと思うので、ここには掲載しません。

 

ドゥオーモとクーポラサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂とそのクーポラは、フィレンツェの街並みに取り囲まれるようにして建っています。白・緑・ピンクの大理石で美しく彩色されており、そのクーポラに登ると、フィレンツェの街が一望できます。ただし、かなり高所になり柵も高くはないので、高所恐怖症の人にはおすすめしません。

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通りから覗くクーポラ

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聖堂正面

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クーポラから見下ろした街並み

 

 

ヴェッキオ宮殿:映画『インフェルノ』でキーアイテムとなるダンテのマスクが展示してあります。その他にも映画の中に登場した部屋や絵画などを見て、「あーあそこから落ちてきたんだよね」とかなんとか盛り上がれる場所です。

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『あの部屋ね』となること間違い無しの、500人大広間

ダンテのデスマスクと一緒に写真撮影すると、なんとも不思議な気持ちになりました。ちなみにここにもダビデ像はいます(レプリカ)。

 

ミケランジェロ広場サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂から南へ歩いて30分の高台にあり、フィレンツェの街全体が見渡せる大きな広場です。徒歩で行ってもいいですが、バスで行くほうが体力的に安全です。特に見晴らしの良い角の場所は、セルフィーを撮りたい観光客がちょっとした列を作っていました(並びました)。

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広場からの眺望。この少し横に、もっとよく見える場所があります。

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ダビデ像(レプリカ)

フィオレンティーニは、本当にダビデ像が好きなんですね。

 

宿泊施設

フィレンツェの中央駅、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から徒歩20分ほどの場所にある、ホテル・アストロ・メディセオに宿泊しました。

www.booking.com

美しい内装と、行き届いたサービスがすばらしいホテルでした。スーパーで買ってきた食べ物を「これ温めてくれませんか」と頼んでも、嫌な顔ひとつせずに引き受けてくれ、滞在が快適になるような心遣いに富んだスタッフさんたちがいました。1階にディナーが食べられるレストランがあり便利ですし、そこで供される朝食も、とても美味しかったです。

駅からすこし距離がありますが、たしかタクシーでも10ユーロほどだったと記憶しています。歩いて1分もしないすぐ近くに12番のバス停もあり、12番は駅から乗ることもできるので、それを利用しても良いと思います(売店で切符を先に買うのをお忘れなく)。

 

 

当初の予定よりも長くなってしまったので、記事を前後編に分けようと思います。

後半のミラノ・ヴェネツィア・ローマ編をお楽しみに。

 

(追記)後編書きました。

mizunokura.hatenablog.com