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イタリア旅行 - 街の感想(ミラノ・ローマ・ヴェネツィア編)

引き続き、イタリア旅行で訪れた街の感想について書きます。

前編はこちら

mizunokura.hatenablog.com

 

 

ミラノについて

フィレンツェからフレッチェに乗って1時間50分北上したところにあるイタリア第二の商業都市で、北イタリア最大、ヨーロッパ全体でも有数の規模を誇ります。

街にはフィレンツェのように教会や遺跡が数多く残る一方で、高度な近代化が進められており、大通りにはブランドショップが立ち並び、物価も高く、マクドナルドなどの比較的新しい飲食店も数多く建っています。さながら街全体が東京・銀座といった感じを受けました。

街の雰囲気

行く前の印象は『人が密集していて治安が悪く、スリや詐欺師たちが虎視眈々と観光客を狙っている、イタリアで最も危険な街』というものでした。生きて帰れるか割と本気で心配していて、地下鉄に乗るために切符を買うときも周囲を無駄にキョロキョロしていましたし、地下鉄内でも常に必要以上に気を張っていました(必要だった気もしますが)。

しかしながら、いざ実際に行ってみるとそこまでの危険地帯ではありませんでした。身の危険を感じたこともまったくないわけではないですが、北斗の拳の世界ほどではありません。物乞いも他の街に比べると少なかったような気がします。

タクシーに乗っても大丈夫ですし、地下鉄に乗っても身ぐるみ剥がされたりはしませんし、スーパーに武装した軍人は立っていませんし、夜の高速道路を改造バギーが走り回ったりもしていません。日本よりもすこしだけ(地下鉄ではしっかりと)気を張っていれば、きっと快適に過ごせると思います。

余談ですが、自分はアニメ『ロミオの青い空』のファンで、その舞台となったミラノの街には聖地巡礼のつもりで訪問しました。以下の見どころもそれに影響されています。

見どころ

ミラノ大聖堂:ミラノのドゥオーモです。地下鉄 Duomo 駅があり、階段を上がると目の前にその姿が現れます。その時点で感動が押し寄せてきました。ミラノのドゥオーモは14世紀から建設が開始され、宗教改革により一時中断。その後の19世紀にナポレオンによって完成されました。

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正面。尖塔群が高画質で見せられないのが残念です。

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背面の装飾窓

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青銅製の正面扉

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側面の装飾

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内部。少年時代のロミオはこの光景を見ていない気がします

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夕陽を受けるドゥオーモ

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夜のドゥオーモ

自分はドゥオーモが好きになりすぎて、一度ならず二度三度と足を運びました。黒い兄弟の誓いのポーズもとってしまいました。内部の装飾も素晴らしく、執念を感じるような緻密さに埋め尽くされており、「そりゃあ信心も持つわ…」と、妙に納得してしまいました。

ドゥオーモの横にはドゥオーモ博物館(Museo Duomo)が併設されており、木造のドゥオーモ模型など、興味深いものがたくさん展示されています。

 

スカラ座:『ロミオの青い空』作中にて、ニキータビアンカを見かけたあの場所、スカラ座です。このすぐ横があのマンツォーニ通り(知らんがな)になっていて、意外とすぐそばなんだなあと感じました。

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マンツォーニ通り:そのマンツォーニ通りです。そうです。『ロミオの青い空』の中で、ロッシ親方とロミオが「スパッツァカミーノ!(=煙突掃除)」と叫んでいた、あの通りです。おそらく観光マップにはわざわざ載っていません。

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通りのはじまり

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道幅はおそらく当時のままですが、両側にはブランドショップ、美術館が並んでいます。

 

ボルゴ横丁:はい、ここも『ロミオの青い空』関連です。マンツォーニ通りを少し歩いて右横に入ると、この小道があります。ロッシ親方の家があった通りです(※フィクションなのでもちろん実際にはありません)。ここも現在はブランドショップやホテルが並んでいて、かつての雑然とした感じ(※フィクションです)はありませんでした。もちろん他の観光客は誰もいませんでした。

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サン・バビラ教会:また『ロミオの青い空』です。

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賑やかな大通りに面した正面

ロミオとアルフレドとが出会い、アルフレドがロミオに遺志を託したあの教会です(※フィクションです)。残念ながら中には入れませんでした。イメージとは異なり、車通りの多い賑やかな大通りに面しています。すぐ横のビルにはレゴのアンテナショップが入り、逆隣のビルにはブランドショップが入っていました。

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レゴでできたドゥオーモ

 

スフォルツェスコ城:『ロミオの青い空』で、アルフレドが本物の勲章をヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の前で掲げ、誇りを取り戻した場所です。

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星型の城壁の内側は公園になっており、猫たちがえさをもらっていました。

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猫の集会

 

ミラノ警察署:『ロミオの青い空』で、ロミオが信頼されるきっかけとなった事件の舞台です。最初ここに行こうとして、裏手のミラノ警察入国管理所にたどり着いてしまい、近代的な建物を見ながら「あの事件で爆破されてしまって、建て直したのかなあ」などと考えていました(※何度も言いますが『ロミオの青い空』はフィクションです)。実際にはその1本隣の通りにあります。歩道の道幅が狭く、写真がうまく撮れそうになかったので撮影は避けましたが、作中に出てくるのとまったく同じ配色の建物が建っています。

 

センピオーネ公園:スフォルツェスコ城の北側に広がる公園です。『ロミオの青い空』で、反目しあっていた狼団と黒い兄弟たちが共通の目的のために共闘するという感動スポットです。現在は地元の人や観光客が多くたむろする、さながら代々木公園のような場所になっていて、雰囲気もとても似ています。

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Arco delle pace を臨む

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公園の夕陽

 

運河:かつてはミラノにはたくさん運河が通っていたそうですが、現在は埋められ、この運河のみになっているそうです。『ロミオの青い空』的には、ダンテが警察に追われているロミオを助けたり、投げ捨てられてしまったアルフレドの荷物を、ロミオが川に飛び込んで拾うシーンとかで有名でしょうか。

【2018年2月18日追記

見返したところ、アルフレドの荷物が投げ捨てられ、ロミオが川に飛び込んでそれを拾いに行くシーンは、イタリア・ミラノではなくスイス・ロカルノでのエピソードでした。

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夕焼け

運河沿いには書店やBAR、リストランテ、絵画屋などが立ち並び、店外の席でくつろげば、ゆっくり休憩しながら優雅で美しい風景を見ることができます。

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カヌーをしている人も

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9ユーロビュッフェのお店で食べたこれがおいしかったです

 

宿泊施設

ミラノでは、治安に不安があったこともあり、四つ星ホテルに宿泊してみました。とはいえ駅から距離があってか一泊の料金は高くありませんでした。むしろ四つ星ともなると、宿泊税が地味に響いてきます

www.booking.com

ホテル・ダ・ヴィンチは、ミラノ中央駅から地下鉄で15分ほどの Comasina 駅から、歩いて15分ほどの位置にあります。ロビーも広く、スタッフも多く、24時間の警備がつき、部屋にはバスタブ(最高!!)やベランダがついていて、さすがの四つ星ホテルでした。

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でもピンク色の外壁はどうなんだと言わざるをえない

ホテル内には貸し会議室もあり、ミラノ・マルペンサ空港から近いこと(電車と徒歩でおよそ50分)から、ビジネス用途で宿泊する人も多いようです。

ここで試しにバスタブにお湯を張って浸かってみたんですが、19日にイタリアに到着してから1週間分の疲れが、体からお湯に溶け出すようにして抜けていきました。気持ちよすぎて笑いが出たのは初めてです。やはりバスタブは最高。長旅を、とくに歩きでの旅をする人は、できることなら1週間ごとにお湯に浸かることができるようにしたほうが良いでしょう。足がとろけるかと思いました。

ホテルのスタッフはとても親切で、かといって北イタリアらしく踏み込んでくることもなく、悪く言えばドライ、良く言えばちょうど良く感じるような距離感でした。そういえば若い男性のスタッフから「英語を話したい」オーラを感じることがあったのですが、あれはなんだったのか謎です。もしかしたら「仕事で使うカッコイイ言語」として英語を捉えていて、「それが使える俺、イカす」ということなのかもしれませんが、真相は不明です。

 

 

ローマについて

言わずと知れた、イタリアの首都です。紀元前8世紀にその礎を置き、ローマ帝国の首都として、またローマ教皇領時代にはルネサンス文化の中心地となり、19世紀には統一イタリアの首都となりました。街中のいたるところに遺跡・教会・美術館・博物館・昔ながらの市場、近代の建築物が立ち並び、内側にバチカン市国を抱え、古いながらも新しい、ローマの経験してきた各時代の美が調和したような街です。

街の雰囲気

おそらく、イタリアでもっとも空気が汚いです。人も車も多いので、喫煙者の出す煙と車の出す排気ガスが調合され、イタリアの乾燥した空気に乗って、じわじわと肺に襲いかかります。石畳の効果も合わさって、体の外側と内側がまんべんなく疲労します。長時間徒歩で観光する場合は、空気への対策を考えるか、まず長時間歩くことを諦めたほうが良いでしょう。早朝(〜8時頃)はまだ空気がマシなので、そのあいだに移動してしまうのも良いと思います。

人の感じは、フィレンツェほどプライドが高そうではなく、かといってナポリほどおせっかい焼きでもない、ちょうど良い感じです。これで空気さえ良ければ本当にいいのに…

見どころ

フィレンツェ以上に見どころがたくさんあります。おそらく1ヶ月かかってやっと見て回れるぐらいなのではないでしょうか。5日間滞在しましたが、全く足りませんでした。観光スポットの多さは、Wikipedia にもわざわざ個別ページが用意されているほどです。以下には行った場所だけ紹介しますね。

 

コロッセオ:ローマといえば思い出す人が多いこと間違いなしの、超有名スポットのうちのひとつです。この円形闘技場で剣闘士や猛獣たちが戦い、それを市民に見せることで為政者が己の人気を高めたという施設です。なぜか皇帝ネロによって建設されたイメージがありますが、ウェスパシアヌス帝の時代に作られはじめ、次代のティトゥス帝の時代に完成したそうです。

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外観

中には入りませんでしたが、カゼルタで見たカプアの闘技場跡とくらべてとても大きかったです。とはいえ決してカプアのものが小さいわけではなく、こちらのほうが単に遺構が多く、全体として大きすぎるのです。

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コロッセオコンスタンティヌス凱旋門

ちなみにここにはローマ兵のコスプレをしたおじさんがいて、写真撮影と引き換えにお金をせびってきます(詐欺というよりは、そういう商売です)。

このすぐ横にある古代の政治中枢施設群、フォロ・ロマーノも見ました。本当にすぐ横にあるので観光に便利です。

 

サン・ピエトロ大聖堂バチカン市国が誇る大聖堂です。思えばローマには、これのほかに巨大な聖堂が無いように感じました。サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂もあるにはあるのですが、フィレンツェやミラノでドゥオーモを見た後なので小さく感じます。ここサン・ピエトロ大聖堂にはミケランジェロの『ピエタ』があるので、それが見たいがためだけに行きました。

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朝焼けを受ける大聖堂と聖パウロ像(剣で斬られて死んだので、剣を持っています)

バチカン市国に入るには、広場に直接向かう場合とバチカン博物館から入る場合とがあり、パスポートは不要ですが、荷物検査が必要です。空港の時と同じ金属探知機やX線のスキャナーで荷物を検査され、場合によっては開いて中を見られるようです。大きな手荷物、華美な服装の場合は入国を拒否されてしまうこともあるそうですが、ミニスカ生足のお姉さんは普通に入国できていました。神のご加護かな?

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ピエタ像。めっちゃ遠い

ピエタ像は、聖堂入ってすぐ右側に配置されています。しかしミサの日だったからなのか、はたまたテロを警戒してなのか柵が設けられており、写真より近くで見ることは叶いませんでした。バチカン博物館内にレプリカがあるそうなのでそれを見てもいいんですが、自分たちは人が多すぎて見つけられませんでした…。下調べ、超大事

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聖堂内部

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天国に行けそうな像(実際、クーポラ・天井へ向かうエレベーターの出口になっています)

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「キミなかなか見込みあるねえ」「こんなヤツがッスか!?」

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あんなところにどうやって文字を書くんでしょうね

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クーポラ。登れます(徒歩5ユーロ、エレベーター7ユーロ)。途中までエレベーターを使って登っても、かなり疲れます

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アイドル(偶像)たちの背中

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聖ペテロ像。天上へ入るための鍵を持っています

この日はちょうど、11時にローマ法王が顔を出す日でもあり(毎週日曜日)、10時頃までには広場に続々と人が集まっていました。

 

ポルタ・ポルテーゼの蚤の市:ローマの旧市街、トラステヴェレ地区にあるポルタ・ポルテーゼからポルトゥエンセ通り、それに続くエットーレ・ロッソ通り、イッポリト・ニエヴォ通りに長々と伸びる、長大な蚤の市です。売っているものは日用品・本・衣料品・サングラス・カバン・食料品・古物・家具・絵画・文房具などなど多種多様で、なんでも雑多に安く売っています。人混みが多いだけにスリも多いらしく、注意が必要な場所でもありますが、初めて見るその土地ならではのものに出会える場所でもあり、とても楽しめました。

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蚤の市と曇り空

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金物屋さん

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ナルトの懐中時計(ハガレンのもありました)

 

バチカン博物館ローマ教皇が500年間かけて集めたり作らせたりした、名品珍品たちが所狭しと立ち並ぶ博物館・美術館の集合体です。何と言っても有名なのは、システィーナ礼拝堂の天井絵(ミケランジェロアダムの創造』、『原罪と楽園追放』など)や、『最後の審判』ですよね。超有名博物館のため、入場に長蛇の列ができます。自分の場合は2時間待ちました。スケジュールが決まっている場合は、必ず予約しておきましょう。4ユーロ払うだけで2時間待ちの列が飛ばせます。2時間待つことを考えると、めちゃくちゃ安いです。

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壁に沿って長蛇の列ができる(これで半分)

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もう半分はこちら

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予約している場合は列を飛ばしてここまで来ることができます(この左隣りが入場口)

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システィーナ礼拝堂内は写真撮影が禁止されています(それでも堂々と自撮りしている人はいましたが)。また、見たいものがどのエリアに置かれているか、位置と場所のイタリア語名(英語名でも良いかも)を事前に調べておくと良いでしょう。なにせ人でごった返すのでとにかく疲れてしまい、一度進んでから戻るという選択肢が取りづらい場所です。順路もいくつかありますし、とくにラファエロの『アテナイの学堂』や、古代ローマの『ラオコーン群像』が見たい場合は道順や見る順序に気をつけましょう(自分は見逃しました)。

ちなみに出口付近にはフードコート形式のピザ屋が入っており、ポテトとピザのセットなどが注文できます。お値段はたしか10ユーロぐらいだったと思います。

 

トレヴィの泉バロック時代の人工噴水、コインを後ろ向きで投げるあの場所です。早朝7時頃に掃除が行われ、その間は近づくことができないそうで、その間に前日に投げ込まれたコインもまた回収されています。細い路地を過ぎたところに急に泉が現れるので、唐突感がありました。じつはここを訪れた日のわずか5日前に、泉が赤く染まる事件が起きたばかりでした。

参考:ローマの観光名所「トレビの泉」が真っ赤に 男が染料を投入 - シネマトゥデイ

そのためか警備が非常に厳重で、柵も張り巡らされ、近くに寄ることはできませんでした。

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投げるなとは書かれていなかったので、ちゃんとコインは投げてきましたけどね

 

スペイン広場:『ローマの休日』で、ジェラートを食べているオードリー・ヘップバーンを、グレゴリー・ペックがローマ案内に連れ出す場所です(たしか)。

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上からの様子。意外に人はまばら

階段に腰掛けて通りや観光客たちを眺めているだけで、良い休憩になります。

 

パンテオン古代ローマの万神殿、パンテオンです。128年に再建されたものが現代にまで残っている建物で、後にキリスト教聖堂となりました。偉大な芸術家ラファエロの墓があります。

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荘重な外観

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天井

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ラファエロの墓

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広場にあるオベリスク

 

MANGASIA:観光名所というわけではないのですが、ローマのエスポシツィオーニ宮で、アジアの漫画展『MANGASIA』が開催されていたので、見てきました。

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MANGASIA

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中国の漫画誌

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江戸時代の浮世絵と、現代の子連れ狼

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ゲンの生原稿を初めて見ました。なぜかローマで

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ここだけ日本なのかもしれない(自由に読めます)

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手前から『地球へ…』、『攻殻機動隊』、『犬夜叉(愛蔵版)』、『GreatMechanicsDX 9』、『進撃の巨人 1巻』

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初音ミクのライブ映像

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AKIRA のセル画(目に焼き付けてきました)

このほか、Kinect のような仕組みで自分の体に連動して動く、巨大ロボット映像の展示もあり、奥さんが夢中で遊んでいました(かわいい)。

 

宿泊施設

ローマでは二つ星の、ホテル・イタリアに5泊しました。

www.booking.com

最初は、玄関がどこにあるのかわからず、ようやく探し当てたドアの開け方もわからず(集合チャイムのホテルのボタンを押すと玄関ドアが開きました)、二つ星らしく部屋の設備もお世辞には良いとは言えなかった(お風呂が非常に狭い)ので、正直「旅の最後にやらかしたかな」と思っていました。

しかしながら、このホテルのスタッフのフレンドリーさからはいわゆる「ナポリっぽさ」が垣間見え、とくに中年のスタッフに対して、こちらが「Quarantaquattro, per favore.(44番、お願いします ※部屋のカギ番号)」と言った際の、「イタリア語がとても上手ですねえ〜。どうやって勉強したんですか?(イタリア語)」という嬉しそうな笑顔が忘れられません。

このスタッフとはその後も何度も話す機会があり、ホテル近くで持ち帰りができるおいしいピザ屋さん(Ristorante Strega)を教えてもらったので、そのお礼にビールをプレゼントしたり、おじさんが嬉しそうに「日本語を覚えた。ヨンジュヨン〜(44)」と話してくれたり、おじさんの奥さんや子供さんたちの写真を見せてもらったりと、とても仲良くなれました。

二つ星なので宿泊税も安めに抑えられましたし(5泊2名で3x5x2=30ユーロ)、ホテルの位置が観光にとても便利でしたし、20時まで開いているスーパーがすぐそばにありますし、結果的にここにして良かったと満足できました。

おじさんは別れ際に「今度ローマに来るときには連絡してくれ」と言ってましたし、いつかまたここに宿泊すると思います。

六甲

宿泊施設ではなく飲食店ですが、六甲も紹介します。こちらは日本人オーナーが経営している日本料理店で、スペイン広場やサンタンジェロ城のすぐそばにあります(地図)。

ローマに滞在しはじめたのは、イタリアに入国してから10日目のことでした。さすがにイタリア料理にも飽き始め、「そろそろお味噌汁が飲みたい」という欲望が抑えきれなくなってきていたのですが、その一方で、それまでに怪しい日本料理店しか見つけられておらず、また「せっかくイタリアにいるのに」という思いもあり、あえて調べることはしていませんでした。しかしその後結局「四の五の言ってられるか。今すぐ白い飯を出せ」となり、検索して探し当てたのがここです。

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安心する店内

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安心するメニュー(頑張らなくても読めることに違和感がありました)

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安心する箸とお茶

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安心するカツ丼

味は日本風そのもの。お味噌汁も嬉しく、思えばイタリアに来てからイタリア料理でもスープを口にしていなかったことに気が付きました(スープ料理が無いってことはないと思うのですが…)。お茶が甘くないことも嬉しさに拍車を駆け、すごい勢いで丼をかきこみ、気がつけば完食していました。

ここのお米は日本でお馴染みのあきたこまちなのですが、なんとイタリアの契約農家に栽培してもらっているものらしく、そのこだわりのお米は一粒一粒しっかりとした甘みがあり、とても美味しかったです(ちゃんと味わって食べましたよ!)。

みなさんももしローマで日本食が恋しくなったら、こちらの六甲を思い出してください。日本の味が待っています。

 

ヴェネツィアについて

さて、最後はヴェネツィアです。ミラノから列車で2時間40分、フィレンツェからは2時間10分の位置にある、水上都市です。

しかし自分の場合はローマから行ったので、片道4時間・往復8時間もかかってしまいました。ギリギリ日帰りはできましたが、疲れるのであまりおすすめしません。フィレンツェボローニャから行くのが、一番手軽かと思います。

街の雰囲気

ディズニーシーです。ディズニーシーがヴェネツィアフィレンツェをモデルにしているのだと思いますが、入り口のお土産屋が全域に拡張され、全体的に広くなった、ディズニーシーでした。テーマパークのようでいて、地元民の生活感もあり、不思議な空間です。人の特徴はつかめませんでしたが、基本的にホスピタリティのある人が多かったように感じました。

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陸にある Porto Marghera(ポルト・マルゲラ)駅からSanta Lucia(サンタ・ルチア)駅へ向かう橋の上

見どころ

サンタ・ルチア駅前:列車を降りるとそこは、いきなり運河です。「これ見に来たんだろ。ほい」という感じで、いきなり運河が広がっています。「ああ、水の国に来たんだな」と強制的に実感させられます。ここからは水上バスに乗るか、徒歩で歩き回るかを選ぶことができます。自動車の乗り入れが禁止されている(そもそも車道が無い)ので、タクシーはいません。

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広場と運河

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橋の上から見た運河と駅。右の建物は水上バスの停留所

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運河の端に腰掛けての光景

 

街並み:歩くだけで絵になる風景に出会えるのがイタリアですが、ヴェネツィアはとくにそうで、水面に映る景色と街並みが織りなす光景は、ここ特有のものです。

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ほらまたそうやってすぐ絵になる〜〜〜〜

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運河とゴンドラ

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夕陽と街並み、そして運河

 

サン・マルコ大聖堂:9世紀にイタリアの各都市が聖人にちなんで箔を付ける中、「うちも乗り遅れてはおれん!」ということで聖マルコの聖遺物を入手し(盗品です)、安置するために建てられた聖堂です。

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聖堂正面

サンマルコ広場に面しており、広場のいたるところに聖マルコの象徴である有翼の獅子像が建っていました。

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有翼の獅子像

 

ドゥカーレ宮:8世紀に建設された、ヴェネツィア共和国の政庁兼総督邸です。現在中は美術館になっているそうです(入りませんでした)。

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広場側

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海側

 

溜息橋:ドゥカーレ宮と牢獄とを結んでいる橋で、「宮殿で有罪判決を受けた囚人が、この橋を通る際に窓から外を見て溜息をつく」という19世紀の詩から名付けられたそうです。

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ため息橋とゴンドラ

 

宿泊施設

ヴェネツィアには日帰りしたので宿泊しませんでした。そもそもヴェネツィアは物価が高めで、宿泊料金も他の都市に比べてお高いようです。

それからヴェネツィアに宿泊する場合、駅からホテルへの移動手段について考える必要があります。というのも、タクシーがいないからで、つまり荷物を持ったまま移動する手段が限られるからです。徒歩で頑張ってもいいんですが、橋を渡ったり狭い路地を通ったりする必要があります。そんな人のために駅前には荷物運び屋がたくさん待機していますが、スーツケースひとつあたり20ユーロほどもするそうです。うーん、高い。なるべく駅から近いホテルをとるのが得策でしょう。

 

最後に、またイタリアへ行くとしたら

イタリアで6都市を旅して、さんざん「空気が悪い」と書いてきましたが、帰国後しばらくして、「またイタリアに行きたい」と思っていることもまた事実です。

南イタリアにはナポリ・カゼルタにしか行っておらず、さらに南のバーリやシチリア島には行っていませんし、中央イタリアのサルデーニャ島にも行ってみたい気持ちがあります。ヴェネツィアフィレンツェ・ローマの博物館・美術館にはまだまだ見てみたいものもありますし、ミラノのドゥオーモも、生きている内に再訪したい。何よりローマには仲良くなったおじさんがいるので、また行かなければなりません。

それに当たって、次また旅をするとしたらどうするか、以下に残しておきます。

 

より上手なホテルの決め方

  • Booking.com のレビュースコアが8.5点以上あること
  • 早朝に見たい施設のすぐ近くにあること(※ただしヴェネツィアでは例外で、駅近くのほうが良い)
  • がっつり休みたくなるタイミングには、設備が良いホテルに泊まること(バスタブは必須)
  • 星が多すぎないこと

 

ミラノでは、もう少し Milano centrale 駅の近くでも良かったかなと感じました。奇跡的に友達の家まで歩いて15分ほどだったのでその点は良かったのですが、市街地に出るまでに地下鉄で20分ほどかかり、観光にやや不便さを感じました。観光旅行は限られた時間と体力との勝負なので、観光スポットの近くであることにこしたことはありません。まあ、そのぶん高くなるんですけどね…。

より上手な移動方法

  • バスを使う

 

地下鉄が全域に整備されているわけではないので、次行く際にはバス停の位置を地図で用意しておき、バスを乗りこなせるようにしたいと思いました。フィレンツェでは絶対に先に切符を買います。

より上手なスケジュールの決め方

今回の旅行ではスケジュールにあえて不確定要素を作り、「旅行中に決めればいいか」としていた部分が多くありました。その結果、ローマから日帰りで8時間かけてヴェネツィアに行ったり、予約なしでバチカン博物館へ行くことになってしまったので、このあたりはやはり事前に調べてきっちり決めておくなり、予約しておくなりしたほうが良かったなと感じました(ハプニングも旅の醍醐味ですけどね!)。

 

 

そんなこんなでいろいろとありましたが、全体的に楽しく旅ができたので、イタリアに大満足でした。

 

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