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書きたいと思ったことを書きます

本との出会い方

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我が家には本がたくさんあります。たくさんと言っても数百冊程度なので、その道の人の蔵書数には遠く及びませんが、平均以上には所有していると思います。本が好きで、よく買い集めてしまうからです。そのためもあり、人に本の話をすることが多くあります。

あるときある人と話しているときにこういうことがありました。

わたし「こういう本があって、こういうことが書かれてて、(いまの話題)に似てるな〜と思いました。」

ある人「こういう本にはどこで出会うんですか? 僕は生きてても絶対に出会うことないだろうなと思って聞くんですけど。」

わたし「そうですね〜たとえばこの本とは書店でたまたま…(後略)」

わたし(そういえば、本とはどんな出会い方があるんだろう?

といったことがあり、それをきっかけに本との出会いについて考えてまとめてみました。

本と出会うきっかけ

図書館で出会う

図書館にはたくさんの本が並んでいます。それもただ並んでいるわけではなく、日本十進分類法という分類によって分けられて並んでいます。もし十進分類法の中のテーマに沿った本を探しているのなら、図書館を当たると良いでしょう。そうでないとしても本がたくさん並んでいるので、様々な棚を見て回るだけでも新鮮です。

参考:日本十進分類法 - Wikipedia

もし気に入った本が見つかったとしたら、まだ版が出ているものなら、その本を書店などで新たに買うこともできます。

書店で出会う

当たり前ですが、書店にも本が並んでいます。こちらは図書館とは違い、ほとんどの場合は、文庫やコミックなら出版社やレーベル、単行本や大型本なら内容によって分類され、陳列されています(もちろんそうでない書店もあります)。

書店には新刊書店と古書店とがあり、新刊書店では新刊、既刊が主に手に入ります。古書店では既刊、重版未定、絶版本が主に手に入ります。本と出会うだけでなく、多くはそのまま購入することもできるのが書店の特徴です。

大型の新刊書店はスペースが広く、そのぶん数多くのジャンル・対象年齢・価格帯の書籍が取り扱われています。小型の新刊書店は狭いぶん、その地域一帯の消費者を対象とした書籍に絞って陳列されていることが多いです。今まで触れたことのないようなジャンル・対象年齢・価格帯の書籍との出会いは、自ずと大型書店のほうに多く隠されていることでしょう。

古書店はそもそも入荷する書籍のジャンル・対象年齢を限定しているところがほとんどです。沖縄に関する本だけ、少年少女向けコミックだけ、大学教科書だけ、東京の歴史関係だけ、SFだけ、などを専門に扱うお店などがあります。予め希望にそうようなお店を探しておいてもいいし、とにかく飛び込んでそのジャンルの世界に入ってみるのも良いでしょう。

Webの書店もあります。Amazonやhonto、e-honなどがあり、配達までの速度ではAmazonが、在庫数ではhontoが(個人の感想です)、雑誌関係ではe-honが強い印象があります。また、e-honは全国の小規模書店などでお取り寄せができ、売り上げをそこに落とすことができます。応援したい場合は積極的に利用しましょう。

また honto は、著者やキーワードを登録しておくと、新刊をメールやアプリでお知らせしてくれる機能があります。加盟店やWeb上で購入した書籍は自動的に「My本棚」へ登録されるので、そこからの通知設定登録も出来て重宝しています。

書店の一例

新刊書店の大型店舗

有名な古書店

書店で出会った本の一例

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イベントで出会う

本に関するイベントも多く開かれています。主に古書イベントですが、東京では神田古本まつり@kanda_kosho)、新宿駅の地下催事場、西部古書会館の古書展など、全国各所で開催されているのでお住まいの地域での古書展を探してみてはいかがでしょうか。

また、百貨店の特設展示場などの古書店外の会場での催しの場合には、同じ本でも店舗に並んでいたときよりも価格が下がっていることがあります(おそらくですが、売る側としてはせっかく持ってきたのに持って帰りたくないからです)。もちろんイベントまで出展されていなければ意味がないことではありますが。

イベントで出会った本の一例

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人づてに出会う

本を人から教えてもらうこともあります。趣味や好みが合う人などに、「最近面白かった本ある?」など質問してみると良いのではないでしょうか。また、自分の好きなものを日頃から周りに伝えていると、それをきっかけに教えてもらえることもあります。

また、「人の家の本棚を勝手に見る」というあまり行儀の良くない方法もあります。「その人が面白そうだと感じて買って、気に入ったので手元に残している本」がきっと半数以上は置かれているはずなので、参考にしやすいのではないでしょうか。

本棚が置かれているのは、人の部屋だけに限りません。ホテルのロビーや、温泉の休憩スペースにも本棚が設けられていることが多くあります。とくに後者のラインナップは不思議なものが多く、思わずその本棚が出来上がるまでの経緯について思いを巡らせてしまいます。

さらにYouTubeの動画の中には、書籍を紹介しているものもあります。あるいはあなたが気に入って見ているチャンネルの人が、動画の中で紹介しているかもしれません。それもまたひとつの本との出会い方でしょう。

人に教わった本の一例

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YouTube動画の一例

Twitter上で出会う

YouTube同様にTwitterアカウントとはいえ中に人はいるので、これもまた結局は人づてかもしれませんが、Twitter上で本と出会うこともあります。また、私人としてのアカウント以外にも、出版社のTwitterアカウントが存在します。

出版社のアカウントでは自社の近刊本の宣伝が行われる以外に、新刊本や既刊本の感想TweetReTweetが行われています。宣伝目的ですのでもちろん好意的な内容しかRTされることはほとんどありませんが、そういったレビューを通して本と出会うこともあります。

さらに、電子書籍のセール情報や、書店でのキャンペーンなどの情報を仕入れることができるのも、出版社のTwitterアカウントをフォローしていてうれしい点です。

もちろん書店の中にもTwitterアカウントを開設しているところが多くあります。新刊書店もあれば、古書店のものもあるので、フォローしてみるとそこからも出会いが広がっていくことでしょう。

Twitterアカウントの一例

本棚を見るのが好きな人は、Twitterハッシュタグ#本棚晒す」を見てみるのも良いでしょう。漫画本の棚が多いですが、参考になる写真があるかもしれません。

Twitterで知った本の一例

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本の中で出会う

本を本から教えてもらうこともあります。

巻末に参考文献が載っている書籍もありますし、文中に引用や紹介があることもあります。巻末やカバーの袖に同じ出版社や著者の書名が出ていることもありますね。

たとえば、ちくまプリマー新書や岩波ジュニア新書などの中高生〜社会人向けの書籍では、巻末に読書案内が掲載されていて、その本の内容を入門に、さらに深く知っていきたい内容によって分類されていることがあります(著者によりますが)。

読書案内や書誌に並んでいる本は既刊〜絶版本までと幅広いですが、その本のテーマに沿っていることがほとんどなので、芋づる式に知識を広げていきたい場合にはこの方法が良いかもしれません。

また、本(に限らず作品全般)には、必ずアイデアの源があります。自分の好きな作品のアイデアの源のうちのひとつが本ならば、そこから出会うこともできます。自分の好きな作品に含まれる要素を本文中に探しながら、きっと楽しく読みすすめることができるはずです。

書誌情報や紹介の豊富な本の一例

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著者を通じて出会う

同じ著者の書籍をたどるという方法もあります。

文学小説作品やコミック本で、同じ著者の他作品を当たることをする人は多くいると思います。実用書や人文書など、ほかのジャンルの書籍でも同じことはできます。また、共著を出している著者の場合、共著者の他の書籍をたどっていくことで、同じジャンルの中で幅を広げていくことができるかもしれません。対談だったとしても、若干共通点がこじつけなこともありますが、参考にできるでしょう。

自分が普段触れている書籍以外のもの(音楽やスポーツなど)で、気に入っている人物の著作を探すのも手です。もし著作がなければ、前述したように、その人が作品作りや試合前の時間などを共にしている書籍を探すのも良いでしょう。

著者を通じて出会った本の一例

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フリマサイトで出会う

メルカリなどの個人出品が可能なフリマサイトでは、多くの人がタイトル以外に書籍の内容を説明文のなかに記載して販売しています。検索時には説明文の中身も検索範囲に含まれるため、自分の興味のある言葉で検索すると、ただ書名で検索した場合よりも、興味を惹かれる本に出会える可能性が高くなります。

また、セット販売という形で、複数の書籍がまとめて販売されていることがあります。同著者でまとめられている場合もあれば、テーマが共通な場合もあれば、まったく関係のない書籍がまとめられていることもあります。必ずしも購入しなくとも、見るだけでも楽しいと思います。

フリマサイトで知った本の一例

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出会いをどうつなぎとめておくか

本と出会えたとしても、書店やECサイトを経由してすぐに購入できない、すぐに図書館に行けない、購入を検討したいなどで、すぐに入手しない場合、そのまま忘れてしまうかもしれません。

アプリ『honto with』

Web書店hontoには、ほしい本を集めておくための「お気に入り」という機能があります。この機能はWebサイト上でも使えるのですが、honto withというアプリでも使用することができます。気になった本はここにすぐに登録しておけば、そのまま honto 上で購入することもできるし、実店舗に行った際にも思い出して探すことができます(honto加盟店なら、アプリ上で在庫検索もできます)。

Amazonのカート

Amazonのカートに入れておくのもひとつの手でしょう。ほかの買い物のときに邪魔になるのであれば、『あとで買う』に移しておけば問題ありません。リストを作ってそこに追加しておいても良いでしょう。

終わりに

本との出会い方をまとめてみました。

こうしてまとめてみると、本が本を紹介してくれることもあれば、Twitterから著者を知りさらにその著作を知るパターン、自分の“推し”が紹介していた人が著者でその著作を知るパターンなど、本を知るきっかけは円を描くように循環しているなと感じました。なかでもTwitterは、本/書店/イベント/著者/人/フリマサイトについての情報をまんべんなく収集できる点で優れているように思います。また、好きな人や作品からの本との出会いは、読書を楽しむための味付けがされているような気がします。これらいくつもの方法を組み合わせて実践してみて、「○回見たということは、きっと楽しんで読めるはず」といったルールを自分の中に作ってみても面白いかもしれません。

実際に書店や図書館に行くまでもなく、世間は本で溢れています。「読みたい本が無いな」と感じているのだとしたら、それは単に探しきれていないだけという可能性が高いです。まずは自分の興味のある範囲などから、本の気配を探りにいってみましょう。きっと芋づる式に、たくさんの本たちが姿を現すはずです。

以上。